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積川神社

(つがわ じんじゃ)

積川神社は、大阪府岸和田市積川町に位置する歴史ある神社です。式内社であり、旧社格は郷社として格付けされています。和泉国四宮として地域の信仰を集め、勅願社として朝廷からも尊重されてきました。

主祭神には生井神、栄井神、綱長井神、阿須波神、波比岐神が祀られており、これらの神々は総称して「座摩神」とも呼ばれています。本殿は歴史的価値が高く、1914年に重要文化財に指定されています。豊臣秀頼による修復も行われ、長い歴史を誇る建造物として今も地域の人々に大切にされています。

祭神

積川神社の主祭神には以下の神々が祀られています:

これらの神々は座摩神として総称され、人々の生活や地域の繁栄を守護すると信じられています。

歴史

積川神社は古代から存在し、『延喜式』にも記載されている古社です。崇神天皇の御代に創立され、927年に成立した延喜式には神名が記録されています。

平安時代の崇敬

貞観6年(864年)には従四位下、貞観15年(873年)には従四位上に昇格され、神社の格式が高められました。また、寛治4年(1090年)には白河上皇が訪れ、「正一位積川大明神」として神号が記された扁額が掲げられました。

熊野詣との関わり

平安時代には熊野参詣の際に積川神社が中継地となり、後白河上皇や白河上皇がここで参拝を行った記録が残っています。

豊臣・織田時代

天正3年(1575年)には織田信長によって社領が保証されていましたが、その後、天正13年(1585年)には豊臣秀吉により社領が没収されました。しかし、豊臣秀頼による本殿の修理が行われるなど、神社の重要性は引き続き保たれていました。

建造物・文化財

本殿

積川神社の本殿は、豊臣秀頼が片桐且元に命じて大修理が行われた歴史的な建造物であり、三間社流造で正面に千鳥破風が付いています。檜皮葺の屋根が特徴的で、重要文化財に指定されています。

石灯籠

正平7年(1352年)に楠木正儀が寄進したと伝えられる石灯籠があり、御垣内左社殿の前に配置されています。また、本殿前の石灯籠は大阪の商人・加賀屋四郎右衛門によって寄進されたものとされています。

その他の建造物

境外地

遙拝所

積川神社の遙拝所は、北緯34度27分38.38秒、東経135度24分7.68秒に位置し、大阪府岸和田市小松里町字北額の府道30号線(熊野古道)沿いに設けられています。遠方からの参拝者が神社に礼拝できるよう設けられた施設で、熊野参詣のために立ち寄る人々にも利用されました。

御旅所

かつて岸和田浜に設置されていた御旅所も、岸和田城下の建設に伴い、現在の遙拝所の位置に移されました。

摂社・末社

積川神社には複数の摂社・末社があり、それぞれ異なる祭神が祀られています。

天然記念物

境内には天然記念物に指定された椋の木があり、一の鳥居を入ってすぐの石段の脇に存在します。

文化財

重要文化財

本殿は1914年(大正3年)に特別保護建造物に指定され、現在は文化財保護法に基づき重要文化財として保護されています。

大阪府指定有形文化財

積川神社には鎌倉時代に作られた木造男女神像4体があり、大阪府指定の有形文化財として保護されています。

岸和田市指定天然記念物

境内に生育する椋の木は岸和田市指定の天然記念物です。

祭事

積川神社では例祭が毎年10月8日に行われ、地域の住民をはじめ多くの参拝者が訪れます。

Information

名称
積川神社
(つがわ じんじゃ)

堺・泉南

大阪府