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五風荘

(ごふうそう)

美しい回遊式庭園と近代和風建築

五風荘は、大阪府岸和田市に位置する近代和風建築と回遊式日本庭園を有する文化的な施設です。この地は、かつて岸和田城の二の曲輪にあった「新御茶屋」の跡地に、旧寺田財閥堺寺田家の二代当主である寺田利吉が別邸として建てました。1998年には国の登録有形文化財に指定され、2008年からは岸和田市の指定有形文化財として管理されています。

岸和田城の歴史と寺田家の邸宅

五風荘の敷地は、岸和田城にゆかりの深い「新御茶屋」があった場所に、昭和4年(1929年)から10年間かけて造成されたものです。この別邸は、寺田家二代当主の寺田利吉によって建てられ、約8000平方メートルの広大な土地に美しい回遊式庭園が広がります。庭園内には、「山亭」、「八窓席」、「残月席」の3つの茶室が設けられており、それぞれに風情ある日本建築が楽しめます。

五風荘の名前の由来

この邸宅は、当初「南木荘」と呼ばれていました。これは、岸和田の歴史にゆかりのある武士、楠木正成の姓にちなむものでした。しかし、後に寺田利吉の諡号が「五風院」であったことから、現在の「五風荘」という名称に改められました。

文化財指定と管理運営 

五風荘は昭和61年(1986年)に岸和田市土地開発公社が所有権を取得し、平成4年(1992年)には岸和田市に移管されました。その後、平成20年(2008年)度まで岸和田市観光振興協会が管理を行い、平成21年(2009年)度からは指定管理者制度が導入されました。2018年度までは「がんこフードサービス株式会社」が、2019年度からは「株式会社岸和田グランドホール」が指定管理者として運営しており、現在は和食レストランとしても利用されています。

文化財としての価値

五風荘は平成10年(1998年)に国の登録有形文化財として登録されましたが、指定管理者制度導入を機に、平成20年(2008年)に岸和田市指定有形文化財として再指定されました。これにより国の登録は抹消されていますが、市指定の文化財として大切に保護されています。

五風荘の建造物

五風荘の敷地内には、趣のある建造物が多く存在します。

岸和田市指定名勝の庭園

五風荘の庭園は、庭師の本位政五郎によって作庭された回遊式庭園で、岸和田市指定名勝に指定されています。庭園内には「船津橋門」があり、四季折々の美しい自然景観を楽しむことができます。また、庭園内には1264年に造られた「十三石の塔」があり、織田信長ゆかりの貴重な遺構として訪れる人々に歴史を感じさせます。

五風荘へのアクセス

公共交通機関でのアクセス

五風荘へのアクセスは非常に便利です。南海本線の以下の駅から徒歩でアクセス可能です。

車でのアクセス

車で訪れる場合は、阪神高速4号湾岸線の「岸和田南出入口」より約10分です。五風荘の隣には、かつて家老久野家の屋敷跡を利用したコインパーキング「タイムズ五風荘」があり、五風荘の食事利用者には無料駐車券が提供されます。

周辺の観光スポット

五風荘の周辺には、以下のような観光スポットが点在しています。

五風荘は、岸和田市の歴史と文化が融合した特別な場所です。美しい回遊式庭園と、寺田利吉の別邸としての歴史ある建造物は、訪れる人々に日本の伝統美を感じさせます。和風建築や茶室が調和した空間は、心を癒し、落ち着いたひと時を過ごすのに最適です。また、岸和田城や岸和田だんじり会館などの観光名所も近くにあり、地域の文化や歴史をより深く体験することができます。岸和田市を訪れる際には、ぜひ五風荘に足を運んでみてはいかがでしょうか。

Information

名称
五風荘
(ごふうそう)

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