祭神
主祭神
等乃伎神社の主祭神は天児屋根命(アマノコヤネノミコト、アメノコヤネノミコト)で、これは神社信仰の中心的な神であり、地域の繁栄と平穏を願う神様です。
相殿神
- 誉田別命(ホンダワケノミコト)
- 菅原道真(スガワラノミチザネ)
- 大歳神
- 壺大神
相殿神として、誉田別命、菅原道真、大歳神、壺大神が祀られており、これらの神々はそれぞれ異なる役割で地域を守護しています。
歴史
等乃伎神社の名称は、かつてこの地域を治めていた中臣氏の一支族「殿来連」に由来します。『続日本紀』に記されている「中臣殿来連竹田売」という人物がこの地を領地として治め、その祖先とされる天児屋根命を祀ったことが神社の起源とされています。また、天平勝宝4年(752年)には、藤原氏の高位の人物がこの地を訪れ居住した記録も残されており、このことが神社の歴史的な重要性を物語っています。
等乃伎神社は、延喜式の式内社として認定されており、歴史的にも格式高い神社とされています。さらに、1908年(明治41年)から翌年にかけて、旧市場村の稲荷社、旧大園村の壺神社、旧土生村の菅原社、旧新家村の大歳社、旧南出村の大歳社が合祀されました。これにより、地域の信仰が一体となり、多くの人々に親しまれる神社となりました。
行事
例祭
等乃伎神社の例祭は毎年10月5日に行われます。この日は、地域の伝統的な祭りである高石だんじり祭も開催され、氏子地域(旧富木村・旧新家村・旧土生村・旧綾井村・旧大園村)からだんじりが宮入りします。かつてはこの日とその前後にだんじりの宮入りが行われていましたが、現在では祭りを休日に設定する取り組みにより、10月の第一土曜日または第二土曜日に宮入りが行われるようになっています。
境内の構造
等乃伎神社の本殿と拝殿は1987年(昭和62年)に再建されました。本殿は三間社流造、拝殿は七間社入母屋造で唐破風向拝が施されています。これにより、美しい伝統建築が境内を彩り、訪れる人々にその荘厳な雰囲気を伝えています。
境内には照葉樹林が広がり、楠が神木として信仰されています。境内地からは南北朝時代の楠の焼株や、平安時代・鎌倉時代の古瓦が出土しており、歴史の痕跡が色濃く残っています。
境内社
境内には摂社や末社があり、それぞれの神々が祀られています。
摂社…宇賀之御魂神
末社…天御中主神
交通アクセス
最寄り駅はJR阪和線の富木駅で、駅から徒歩約8分(南東へ約600m)の距離にあります。訪問者にはアクセスしやすい立地となっており、地域の観光スポットとしても人気があります。
等乃伎神社は、歴史的価値のある建築物や古い神木に囲まれ、地域住民のみならず観光客にも親しまれています。例祭のだんじり祭りなど、伝統文化に触れることができる貴重な場所であり、日本の古き良き文化と信仰を体感できる神社です。