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堺市

(さかいし)

堺市は、大阪府の泉北地域にある政令指定都市です。府内では大阪市に次いで人口が多く、歴史と文化が息づく都市として知られています。

大阪府内で人口と面積の両方で第2位の規模を誇りますが、政令指定都市全体で比較すると、面積は神奈川県の川崎市に次いで2番目に小さい都市でもあります。2022年の時点で、佐賀県、山梨県、福井県、徳島県、高知県、島根県、鳥取県を上回る人口を抱えています。

名所・旧跡

歴史的建造物

堺区
中区
西区

社寺

堺区
西区

古墳

観光スポット

公園・緑地

堺区
中区

観光農園・南楽園

堺市には自然を楽しむための観光農園が複数あります。「南楽園」では四季折々の花や植物を鑑賞でき、観光客にも人気です。

堺市内の道・旧街道

堺市には歴史的な街道や道も多く存在し、散策が楽しめるスポットが多数あります。

堺市の銅像

祭事・催事

春の祭り

堺刃物まつり

開催時期:2月上旬
開催場所:じばしん南大阪

堺の伝統工芸である刃物の魅力を堪能できるイベントです。職人の技を間近で見学できる貴重な機会です。

ツツジの通り抜け

開催時期:4月下旬 - 5月上旬
開催場所:浅香山浄水場

色鮮やかなツツジが一面に咲き誇り、訪れる人々を魅了します。

アジサイの通り抜け

開催時期:5月下旬 - 6月上旬
開催場所:三宝下水処理場

初夏の風物詩であるアジサイが美しく咲き誇り、爽やかな雰囲気を楽しめます。

夏の祭り

堺大魚夜市

開催日:7月31日
開催場所:大浜公園

新鮮な海産物や屋台が立ち並び、夏の夜を賑やかに彩ります。

住吉祭

開催日:8月1日
開催場所:宿院頓宮

地域の守護神を祀る重要な祭りで、多くの参拝者が訪れます。

秋の祭り

ふとん太鼓

9月から10月にかけて市内各地で開催される勇壮な祭りです。地域ごとの神社で異なる日程で行われ、華やかな山車と熱気あふれる担ぎ手たちが見どころです。

堺まつり

開催時期:10月第3日曜とその前日
開催場所:大小路筋、フェニーチェ堺ほか

パレードやステージイベントが繰り広げられる堺市最大級の祭りです。同日には大仙公園で大茶会も開催され、和の文化に触れることができます。

冬の祭り

やっさいほっさい(火祭り)

開催日:12月14日
開催場所:石津太神社

火を用いた神事が特徴の冬の伝統行事で、幻想的な雰囲気を楽しめます。

堺市の伝統産業

堺刃物

堺打刃物として知られる堺の包丁は、プロの料理人に愛用されており、そのシェアは業務用で9割を超えます。近年では海外でも高い評価を得ています。

堺線香

かつて全国シェアの3割以上を誇った堺線香は、現在でも品質の高さで知られています。伝統の技法を守りながら、現代のニーズに合わせた製品も展開しています。

堺五月鯉幟

端午の節句に欠かせない鯉のぼりも堺の伝統工芸品のひとつです。

堺和ざらし浴衣

伝統的な製法で作られる和ざらし浴衣は、夏祭りなどで涼しげな装いを演出します。

堺昆布

酢昆布などの加工品として知られる堺昆布は、独特の風味が魅力です。

堺土人形

素朴で温かみのある堺土人形は、地域の伝統文化を今に伝えています。

自転車産業

戦国時代の鉄砲製造技術が基盤となり、現在では高品質な自転車製造が盛んです。

家具・木材産業

大阪木材工場団地を中心に、質の高い家具や木材製品が生産されています。

和菓子

阪堺線沿線には老舗の和菓子店が立ち並び、くるみ餅や松露だんごなどが人気です。

地酒

かつて全国第2位の酒造地だった堺は、現在も「梅林」などの地酒が親しまれています。

鉄砲製造の歴史

戦国時代から続く火縄銃の製造技術は、堺の発展に大きく貢献しました。この技術は自転車産業にも活かされています。

堺市は歴史と伝統が色濃く残る魅力あふれる街です。ぜひ一度訪れて、地域の文化や祭りを体感してみてください。

地域区分と歴史的な背景

堺市は、大阪府の地域区分では泉北地域とされていますが、市制施行当初の堺市域や南河内郡の旧郡域などが含まれ、歴史的には泉北郡でなかった地域が多く含まれています。そのため、他の泉北地域3市1町と区別されることもあります。堺市は大阪市の衛星都市としての性格が強く、居住人口に比べて昼間人口の割合が低く、大阪都市圏の一部として機能しています。

工業都市としての堺市

工業面では、堺市は堺泉北臨海工業地帯の中心都市として知られています。2022年には堺市の製造品出荷額が阪神工業地帯の大阪市や神戸市を上回り、近畿地方で最大の工業都市としての地位を確立しました。これにより、経済的にも重要な役割を担っています。

堺市の古墳群

堺市は、日本最大の古墳である大仙陵古墳を含む百舌鳥古墳群など、多くの古墳が点在することで有名です。また、中世には外国貿易が盛んな自治都市として発展し、博多と並ぶ商人の街として栄えました。江戸時代には幕府の直轄地となり、古くから商業や文化の拠点としての歴史を持っています。

市名の由来

「堺」という地名は平安時代から記録に見られ、摂津国、河内国、和泉国の境目に位置したことから「境(さかい)」に発展したと考えられています。「境」「左海」といった表記も存在し、現在の宿院交差点にある石灯籠には「左海たばこ庖丁鍛治」と記されています。

江戸時代からの地名の変遷

鎌倉時代以降、堺は摂津国と和泉国の荘園として栄え、江戸時代には両国の国境に沿って東西幹線の道路が敷かれました。1870年まで堺市街は摂津国に属していたが、その後大和川の付替えにより、堺市は和泉国に完全に属する町となりました。このような歴史的な変遷により、堺市は独自の文化と伝統を形成してきました。

地理と地形

堺市は大阪平野の南部、大和川の左岸下流域に位置し、大阪湾に面しています。北は大阪市、東は松原市や羽曳野市、南東は大阪狭山市、南西は和泉市に隣接し、7つの行政区に分かれています。

地形の特徴

堺市は丘陵地帯や台地、低地、埋立地など多様な地形に恵まれています。泉北丘陵には堺市最高点(標高268.9m)があり、大仙陵古墳(標高44m)もその一部です。また、蘇鉄山(標高6.97m)と呼ばれる人工の築山も存在します。

主な丘陵と台地

河川と湖沼

堺市内を流れる代表的な河川としては、大和川、西除川、東除川、石津川があり、主要な池として光明池、菰池、四ツ池が挙げられます。これらの水域が堺市の豊かな自然環境を形作っています。

気候

堺市は瀬戸内海式気候に属し、比較的穏やかな気候に恵まれています。

歴史

古代から現代までの堺市

堺市には旧石器時代からの人々の定住が確認されており、南花田遺跡などからは打製石器や縄文時代の土器、弥生時代の銅鐸などが発掘されています。浜寺の四ツ池遺跡は弥生時代の集落跡で、市内最大規模の遺跡です。また、1989年には国の史跡に指定されています。

古墳時代とヤマト王権

古墳時代には大仙陵古墳(仁徳天皇陵)を中心に、大小様々な古墳が築かれ、堺市はヤマト王権の重要な拠点となりました。須恵器の生産も盛んに行われ、陶器や釜室といった地名が現在まで残っています。

中世の堺と自治都市

中世の堺市は外国貿易が盛んな自治都市として発展し、博多と並ぶ商人の街として栄えました。この頃の堺は環濠都市として防御機能を持ち、商業や交易の拠点として全国的に知られる存在となりました。

近代から現代の堺

江戸時代以降、堺市は幕府の直轄地となり、その後は大阪市の衛星都市として発展してきました。昭和初期からは住宅地としての開発も進み、大阪市内への通勤者が増加しています。現在も堺市は大阪の重要なベッドタウンでありながら、豊かな歴史と文化を持つ地域として多くの人に親しまれています。

堺市には観光や歴史的見所が豊富で、訪れる人々に多彩な体験を提供しています。堺市の文化と自然に触れ、独特の風土を楽しむことができるでしょう。

Information

名称
堺市
(さかいし)

堺・泉南

大阪府