祭神
桜井神社の主祭神は次の3柱で構成されています。
- 中殿:応神天皇 - 日本の第15代天皇であり、八幡神として広く信仰されています。
- 東殿:仲哀天皇 - 日本の第14代天皇で、歴史的な人物としても知られています。
- 西殿:神功皇后 - 仲哀天皇の皇后であり、戦と縁のある神として崇められています。
歴史
桜井神社の創祀は、桜井朝臣の一族が祖先である武内宿禰を奉斎したことに始まると伝えられています。また、推古天皇5年(597年)には八幡宮が合祀され、地域の人々に深く信仰されてきました。延長5年(927年)成立の『延喜式』神名帳には、和泉国大鳥郡の式内社として「桜井神社」と記載されています。
平安時代以降
平安時代には神仏習合が進み、境内には亀遊山神宮寺が建てられました。建武4年(1337年)には上神城主の上神常儀が社殿を造営していますが、天正5年(1577年)の織田信長による紀州征伐の際、拝殿以外の社殿が焼失し、社領も没収されました。
江戸時代の復興
天正16年(1588年)に加藤清正が阿弥陀堂を再建し、元禄年間(1688年 - 1704年)にかけて神社は復興されました。また、慶応4年(1868年)の神仏分離により、仏像や経典などが他の寺院へ移されるなどの変遷を経ました。
近代以降の社格
1872年(明治5年)に近代社格制度で郷社に列し、1942年(昭和17年)には府社へと昇格しました。また、1908年(明治41年)から1910年(明治43年)にかけて、多くの神社を合祀しています。
境内の見どころ
拝殿(国宝)
桜井神社の拝殿は鎌倉時代前期に建てられたもので、切妻造・本瓦葺きの形式を持ちます。寺院建築の特徴を取り入れた簡素な意匠であり、中央に通路を設けた割拝殿形式は、神社建築として珍しいものです。この建物は1917年(大正6年)に特別保護建造物に指定され、1953年(昭和28年)には国宝に指定されました。
その他の建造物
- 本殿 - 1881年(明治14年)に再建されました。
- 幣殿 - 拝殿と本殿をつなぐ役割を果たしています。
- 中門 - 1931年(昭和6年)に建立されました。
- 神輿庫 - 享保16年(1731年)に鐘楼として建立され、後に神輿庫に改造されました。
- 神門 - 元禄15年(1702年)に再建された立派な門です。
摂末社
桜井神社にはいくつかの摂末社があり、参拝者の信仰の場として親しまれています。
- 白福稲荷社 - 祭神は保食神です。
- 戎社 - 商売繁盛の神として信仰されています。
- 招魂社 - 英霊の鎮魂を目的とした社です。
祭事
桜井神社の秋祭りは10月の第1日曜日に行われ、「上神谷のこおどり」が奉納されることで有名です。この踊りは、もともと国神社への奉納として行われていたもので、地域の伝統文化として大切に守られています。
文化財
国宝
桜井神社の拝殿は建造物としての美しさと歴史的価値から、1917年(大正6年)に特別保護建造物に指定され、1953年(昭和28年)には文化財保護法に基づき国宝に指定されました。
大阪府指定文化財
- 木造神像 - 彫刻の一部として、1982年(昭和57年)に大阪府の有形文化財に指定されています。
- 石造燈籠 - 応永19年(1412年)に作られた工芸品で、1970年(昭和45年)に指定されました。
交通アクセス
最寄り駅は泉北高速鉄道の泉ヶ丘駅で、そこから南海バス23系統(「畑」方面)に乗車し、「桜井神社前」で下車すると徒歩ですぐにアクセスできます。または、24系統(「鉢ケ峯」方面)の「片蔵」バス停で下車し、徒歩約5分の距離です。
桜井神社は、その深い歴史と豊かな文化財、そして美しい自然環境によって、訪れる人々に癒しと感動を与えてくれる場所です。国宝の拝殿をはじめ、数々の文化財に触れ、悠久の歴史を感じてみてください。また、秋祭りの「上神谷のこおどり」も必見です。ぜひ一度、桜井神社を訪れて、その魅力を体験してみてください。