施設
大仙公園にはさまざまな施設が整備されています。堺市博物館、堺市立中央図書館、堺市茶室「伸庵」「黄梅庵」、堺市都市緑化センター、平和塔、日本庭園など、多岐にわたる施設が訪れる人々を楽しませています。かつては自転車博物館も存在しましたが、2022年3月に新築移転し、現在はシマノ自転車博物館として新たにオープンしています。
歴史
大仙公園の南側は1629年(寛永6年)、江戸幕府の代官・高西夕雲と堺の豪商・木地屋庄右衛門によって開発された新田で、当初は「万代新田」と呼ばれていましたが、後に「夕雲開」として知られるようになりました。1925年(大正14年)には大阪府立農学校(大阪府立大学の前身)が移転し、この地で広大な農事試験場が設置されました。
大仙公園の開設
1947年(昭和22年)、大阪府によって大仙公園の計画が立てられましたが、実際の工事は大阪府立大学農学部が移転した1967年(昭和42年)まで開始されませんでした。その後、1971年(昭和46年)には堺市立中央図書館が移転し、平和塔や礼拝堂が建設され、堺市博物館も市制施行90周年を記念して1980年(昭和55年)に開館しました。
歴史的イベント
大仙公園は、1986年(昭和62年)には第37回全国植樹祭が開催され、昭和天皇が訪問され記念植樹が行われました。また、1989年(平成元年)には市制施行100周年と日蘭修好380周年を記念して「オランダフェスティバル・ダッハらんど'89大阪」が、2000年(平成12年)には「世界民族芸能祭」(ワッショイ2000)が行われました。
受賞歴
大仙公園はその美しい景観や環境保全の取り組みが評価され、1989年(平成元年)には「日本の都市公園100選」および「大阪みどりの百選」に選ばれました。また、2014年(平成26年)には「日本の歴史公園100選」にも選定されています。
桜の名所
園内には約400本の桜が植えられており、春になると美しい桜が咲き誇り、多くの家族連れが花見を楽しみに訪れます。桜のシーズンには、ピクニックを楽しむ人々で賑わいを見せ、春の訪れを堪能するのにぴったりの場所です。
堺市茶室「伸庵」と「黄梅庵」
伸庵(しんあん)
「伸庵」は、1929年(昭和4年)に仰木魯堂(おおぎろどう)によって建てられた茶室で、かつて東京・芝公園にありましたが、福助の寄贈により1980年(昭和55年)に現在の大仙公園に移築されました。国の登録有形文化財に指定されており、玄関横に立礼席が設けられているため、一般の方も気軽にお茶を楽しむことができます。2007年(平成19年)には将棋竜王戦の会場にもなりました。
黄梅庵(おうばいあん)
「黄梅庵」は、堺の茶人・今井宗久の所領(現・奈良県橿原市今井町)にあった茶室で、戦後に松永安左ヱ門(耳庵)によって再興されました。現在の大仙公園には、耳庵の遺族からの寄贈を受け、1980年(昭和55年)に移築されています。こちらも国の登録有形文化財に指定されており、内部は一般には公開されていません。
主なイベント
- 堺シティマラソン - 毎年4月29日に大仙公園をスタートとし、大仙陵古墳周回コースで行われるマラソン大会。
- ツアー・オブ・ジャパン堺ステージ - 5月に開催されるサイクリングレース。
- 堺ツーデーマーチ - 6月に開催される全国規模のウォーキングイベント。
- 堺まつり(大茶会) - 10月に開催され、野点席や煎茶席が設けられます。
アクセス情報
鉄道
JR西日本阪和線の百舌鳥駅から西へ徒歩5分でアクセス可能です。
バス
南海バスの「堺市博物館前」バス停で下車後、南海高野線堺東駅からは深井駅行きやあみだ池行きで約10分、または泉北高速鉄道深井駅から堺東駅前行きで約20分のバス移動が可能です。