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くるみ餅

(もち)

餅を大豆の餡でくるんだ伝統菓子。かき氷をかける食べ方も◎

泉州地方には、昔からお餅を大豆の餡でくるんだ「くるみ餅」がある。室町時代中期、堺の町は貿易港として栄えていたが、ある和菓子屋が明からの輸入作物を塩味で挽き合わし、茶菓子を作ったのがくるみ餅のルーツとされている。お餅を大豆の餡でくるんで食べるところから「くるみ餅」と名づけられた。その後、ルソンから砂糖が輸入され、現在の甘いくるみ餅となった。明治時代になり氷を作る技術が発達すると、カキ氷をかけて食べる「氷くるみ餅」が誕生した。

堺の名物として知られる伝統的な菓子が「くるみ餅」です。名前からクルミが使われていると思われがちですが、実際にはそうではありません。このお菓子は、うぐいす色の餡で餅を「くるんで」いることから「くるみ餅」と名付けられました。漢字で「久留美」とも書かれ、これには美味しさを長く楽しむという意味が込められています。餡には枝豆や青大豆が使われますが、山村などの水田が少ない地域では乾燥大豆が代用されてきました。

戦国時代、堺は海外貿易の港として栄えました。この時期、海外から仕入れた農産物を用いて、堺の菓子店が餡で包まれた餅を作ったのがくるみ餅の始まりとされています。堺は千利休の故郷としても知られ、当時の豪商たちの間で茶の湯を楽しむ文化が花開いたため、くるみ餅も茶の湯の際の茶菓子として愛されてきました。

くるみ餅は多くの和菓子店で提供され、日常のおやつとして親しまれています。また、堺市の名物として観光客にも人気があります。

くるみ餅の作り方

  1. 蒸した餅米をつき、小さな玉に丸めます。
  2. やわらかく茹でた枝豆の実を取り出し、薄皮を取り、ミキサーで滑らかにします。
  3. すりつぶした枝豆を鍋に移し、砂糖と食塩を加え、混ぜながら加熱して餡を作ります。
  4. 餡の中に餅を入れてからめます。

枝豆以外にも大豆や青大豆などが使用されることもあり、また餅の代わりに白玉団子が使われることもあります。

和菓子店「かん袋」はくるみ餅の発祥の店とされ、鎌倉時代末期に創業されました。現在も同店は営業を続け、人気のくるみ餅を販売しています。夏にはくるみ餅にかき氷をかけた「氷くるみ餅」も提供され、多くの人々が列を作って楽しんでいます。他にも多くの和菓子店が、それぞれ独自の特色を持つくるみ餅を提供しています。

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くるみ餅
(もち)

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