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清学院

(せいがくいん)

清学院は、大阪府堺市堺区にある修験道当山派の寺院で、本尊として不動明王坐像が祀られています。その門などが国の登録有形文化財に指定されており、歴史的な建造物としての価値が認められています。

歴史

清学院は1573年(天正元年)に開設された修験道の寺院で、当山派に属しています。江戸時代から明治初期にかけては、寺子屋「清光院」としても機能し、地域の教育や信仰活動に深く関わっていました。この寺子屋では、地元の子どもたちが学び、探検家・河口慧海(かわぐちえかい)もここで修学したと言われています。

河口慧海は日本人として初めてチベットへの探検を成功させた人物であり、その業績は清学院においても展示されています。清学院は地域の信仰と教育の場として、長い歴史を持つ重要な寺院です。

文化財

清学院の施設は、歴史的価値が高く、2002年(平成14年)に3つの建物が登録有形文化財に指定されました。

木造で瓦葺きの門は、間口1.7mの構造を持ち、江戸時代末期の建築と考えられています。薬医門形式のこの門は、垂木に反りがあり、軽快な意匠が特徴です。門は庫裏の玄関前にある前庭を囲むように建てられており、独特の雰囲気を醸し出しています。

庫裏

木造平屋建ての庫裏は、切妻造りで瓦葺き、建築面積は75平方メートルです。不動堂の南面と東面に接続した鍵形平面の住居建築で、南面には式台玄関が設けられています。内部には8畳間が2室配置され、玄関南側は土間となっています。この建物は町家風の外観を持ち、虫籠窓などの特徴が見られます。

不動堂

不動堂は桁行・梁間ともに2間半の小仏堂で、本尊として不動明王坐像が安置されています。通りに西面して建てられ、内部は8畳間の構造で、後方に仏壇が配置されています。中央には軒唐破風付きの宮殿形厨子が設置され、江戸時代末期の彫刻様式が見られます。

堺の歴史と清学院

清学院は、元禄2年(1689年)に作成された『堺大絵図』にも「山伏清学院」として記載されており、修験道の道場として長い歴史を持つ寺院です。また、江戸時代後期から明治初期にかけては「清光堂」という名の寺子屋としても利用され、地元の人々に学びの場を提供していました。

この寺子屋では、探検家として知られる河口慧海が学び、その後の業績に大きな影響を与えたとされています。現在では、河口慧海ゆかりの資料や寺子屋で使用された教科書なども展示され、地域の歴史を伝えています。

利用案内

清学院は現在「堺市立町家館」として一般公開されており、地域の歴史を学ぶ貴重な場として観光客にも親しまれています。

所在地

大阪府堺市堺区北旅籠町西1丁3-13

休館日

火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

開館時間

午前10時から午後5時まで

入館料

100円。中学生以下、堺市内に居住する65歳以上の方、障がい者およびその介護者は無料です。

交通アクセス

清学院へは以下の交通手段で訪れることが可能です。

周辺施設

清学院の周辺には、歴史的な施設が点在しており、訪れる人々に多様な文化体験を提供しています。

山口家住宅

重要文化財に指定されている歴史的建造物です。

旧十八屋

登録有形文化財に指定されている施設です。

菅原神社

大阪府指定有形文化財に登録されている楼門が特徴の神社です。

本願寺堺別院

堺市指定有形文化財に指定されている寺院です。

妙国寺

堺市指定名勝に指定された庭園がある寺院です。

清学院を訪れる際は、周辺の歴史的施設と併せて散策することで、堺市の豊かな歴史と文化をより深く感じることができるでしょう。

Information

名称
清学院
(せいがくいん)

堺・泉南

大阪府