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田尻歴史館(愛らんどハウス)

(たじり れきしかん)

田尻歴史館は、大阪府泉南郡田尻町吉見に位置する歴史的建造物であり、博物館として一般公開されています。 この建物は、かつて「綿の王」として知られた実業家・谷口房蔵の別邸として、大正時代に建設されました。 現在は田尻町が管理する施設であり、「愛らんどハウス」という愛称でも親しまれています。

沿革

谷口房蔵は文久元年(1861年)、和泉国日根郡吉見村(現在の田尻町)に生まれました。紡績業を興し、明治33年(1900年)には大阪合同紡績を設立しました。

地元の田尻町では紡績工場を設立するだけでなく、別邸を建設し、所得税という形でも地域に貢献しました。この別邸は大正11年(1922年)に建てられ、研修や宿泊施設としても利用されました。

谷口の没後、別邸は民間企業や個人の所有を経て、平成5年(1993年)に田尻町の所有となり、一般公開されました。 平成8年(1996年)には国の登録有形文化財に登録され、その後、平成17年(2005年)に大阪府の有形文化財に指定されました。

建築の特徴

洋館はドイツの建築様式「ユーゲント・シュテイル」を取り入れており、煉瓦造りの美しい外観が特徴です。 設計者は不明とされていますが、大阪瓦斯ビルヂングの設計者・安井武雄の関与が指摘されています。

隣接する2階建ての和館には茶室や日本庭園が設けられており、洋と和の建築様式が調和した空間が広がっています。

文化財としての価値

田尻歴史館は、大阪府指定有形文化財として高く評価されています。 敷地内には洋館、和館、茶室、3つの土蔵(北土蔵、中土蔵、南土蔵)、表門、裏門などの建造物があり、いずれも歴史的価値を有しています。 また、美しい日本庭園も含め、全体が文化財として保護されています。

利用案内

見学の詳細

田尻歴史館は2016年4月より長期休館中ですが、以前は以下のように公開されていました:

洋館1階のメインホールには「カフェ・ベッラメンテ」があり、見学者はその空間でゆったりとした時間を楽しむことができました。

アクセス

田尻歴史館へのアクセスは非常に便利です:

周辺観光情報

田尻歴史館周辺には観光名所が点在しており、一日を通して楽しむことができます:

まとめ

田尻歴史館は、大正時代の建築美と谷口房蔵の功績を伝える貴重な場所です。洋館と和館、日本庭園が調和した空間は、訪れる人々に歴史と文化の豊かさを実感させてくれます。 周辺観光と合わせて訪れることで、大阪府泉南郡の魅力を存分に味わうことができるでしょう。

Information

名称
田尻歴史館(愛らんどハウス)
(たじり れきしかん)

堺・泉南

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