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石尾山 弘法寺

(いしおざん こうほうじ)

弘法寺は、大阪府和泉市万町に位置する高野山真言宗の寺院です。山号を「石尾山」と称し、古くから「石尾のお大師さん」として地域の人々に親しまれてきました。本尊は大日如来であり、脇仏として地蔵菩薩と弘法大師が祀られています。また、色付きの立像である福徳地蔵があり、多くの参拝者から親しまれています。

弘法寺の境内には、様々な仏像や参道が整備されています。特に本堂の裏山「おがみ山」には白衣観音が立ち、そこに至る道には四国八十八箇所霊場を模した石仏群が並んでいます。訪れる人々は、このミニ霊場を巡りながら静かに祈りを捧げることができます。

歴史

弘法寺は大同年間(806年〜810年)、空海(弘法大師)が槇尾山に登った際に、修行の場として開創されました。その後、弘仁年間(810年〜824年)に地元の豪族である伏屋長者の寄進により、一宇が建立され、本尊として大日如来が祀られることになりました。この時、地蔵菩薩も脇仏として安置され、以来、地元の人々に信仰され続けています。

石尾山の由来

「石尾山」の名は、山中に獣の尻尾のような形をした大きな石が埋まっていたことに由来するとされています。周辺には槇尾山(西国第四番)や松尾寺(豊臣秀頼再建)と並ぶ歴史的な寺院があり、これらは「泉州の三尾」と呼ばれ、広く信仰の対象となってきました。

境内の見どころ

仁王像

山門を入ると、左右に仁王像が立っています。左側の口を開けた「阿形(あぎょう)」と、右側の口を閉じた「吽形(うんぎょう)」の像が魔物を寄せ付けないように睨みを効かせています。特にこの仁王像の力強い足は、足の神様として信仰され、多くの参拝者がその足に触れてご利益を求めています。

子ぼんさん(向かって左と右)

門前には「子ぼんさん」と呼ばれる二体の像が並んでいます。左側の子ぼんさんは、季節ごとに帽子を被り、その愛らしい姿で参拝者を迎えます。右側の子ぼんさんは、知恵が詰まった大きな頭と両手を広げた姿が特徴です。参拝者はこの頭を撫でて知恵を授かることを祈願します。

十三仏とマニ車

真言宗で重要視される十三仏の石碑と、般若心経が彫られたマニ車が設置されています。マニ車は一回転させるごとに般若心経を唱えたのと同じ功徳が得られるとされ、多くの参拝者が手を合わせながら静かに回しています。

修行大師像

境内には「同行二人」の精神を象徴する修行大師像もあります。「同行二人」とは、お大師さまが常に参拝者の傍にいるという信仰の表れであり、参拝者が祈りを捧げているとき、お大師さまが静かに見守っているとされています。

ぼけよけ地蔵

このお地蔵さまは、認知症予防にご利益があるとされ、多くの参拝者が祈願に訪れます。お釈迦さまが亡くなられてから現れる弥勒菩薩が人々を救済するまでの間、私たちを見守る仏様として信仰されています。

福徳地蔵とびんずるさん

本堂内には福徳地蔵と呼ばれる色付きの地蔵菩薩像と、びんずるさんが安置されています。福徳地蔵は福と徳をもたらすとして古くから信仰され、参拝者が願い事を祈願します。また、びんずるさんを撫でると病気が治るとされ、自分の体の悪い部分と同じ場所を撫でて祈願する人々で賑わいます。

白衣観音と六地蔵

本堂の裏にある「おがみ山」の頂上には白衣観音が立ち、泉州平野を一望する絶景が広がります。観音像は参拝者の幸せと健やかな暮らしを祈り、静かに佇んでいます。山頂にはベンチも設置されており、訪れる人々が和泉の街並みを眺めながら一息つくことができる、癒しの場所となっています。

お寺の案内

石尾山弘法寺は、多くの参拝者が訪れる大阪府和泉市の名刹です。長い歴史の中で地域の人々とともに歩み、信仰を支え続けてきたこのお寺は、豊かな自然に囲まれ、静かな時間が流れています。寺内には四国八十八箇所を模した霊場もあり、短時間で巡礼気分を味わうことができます。時代の変化に合わせて参拝の方法も工夫され、訪れる人々にとって心休まるひとときを提供しています。

アクセス

石尾山弘法寺へのアクセスは、大阪府和泉市万町1022に位置しており、公共交通機関や車で訪れることが可能です。周辺には駐車場も整備されており、気軽に訪れることができる場所となっています。

まとめ

大阪府和泉市の弘法寺は、長い歴史と豊かな信仰に支えられた寺院です。地域の人々に親しまれる「石尾のお大師さん」として、今もなお訪れる参拝者に安らぎと癒しを提供しています。美しい自然に囲まれた境内や、福徳地蔵をはじめとする多くの仏像など、多彩な見どころがあるため、一度は訪れてその魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。

Information

名称
石尾山 弘法寺
(いしおざん こうほうじ)

堺・泉南

大阪府