神明神社の歴史
神明神社は、江戸時代に大和川の流路が変わり、堺港が土砂の堆積によってその影響を受け、幾度も修復や浚渫が繰り返されました。このような環境整備の流れの中で、堺港付近の海や河川の浚渫や架橋工事が天保年間に行われ、堺の港が整備された経緯があります。
旭神社から神明神社への改称
文政4年(1821年)、堺の有力者である佐々木長門が、宇迦之御魂神(稲荷)、住𠮷大神、金山彦大神を祀って「旭神社」を建立しました。しかし、その後堺奉行の水野若狭守の指示により、天照大御神と豊受大御神が主祭神として加えられ、宇迦之御魂神、住𠮷大神、金山彦大神が摂社として祀られ、「神明神社」と改称されました。
御祭神
神明神社の本殿には、以下の御祭神が祀られています:
- 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
- 豊受大御神(とようけのおおみかみ)
- 十四柱大神(じゅうしちゅうしらおおかみ)
摂社(豊彦稲荷神社)
本殿の他にも摂社として「豊彦稲荷神社」があり、宇迦之御魂神と二柱大神が祀られています。地元の人々には豊彦稲荷神社も大変親しまれ、商売繁盛や家内安全を祈願する方が多く訪れます。
年中行事
神明神社では年間を通じて多彩な行事が開催され、特に地域の伝統行事として多くの参拝者を集めています。以下は代表的な行事です:
- 1月1日 - 歳旦祭:新年を祝う祭典で、家内安全や無病息災を祈願します。
- 1月15日 - 左義長祭:正月飾りを焚き上げる行事です。
- 4月1日 - 豊彦稲荷神社例大祭:豊彦稲荷神社の例大祭が行われます。
- 6月30日 - 夏越大祓:半年の穢れを祓い、無事な後半を祈る祭典です。
- 9月17日 - 秋季例大祭:五穀豊穣や家内安全を祈る秋の大祭です。
- 11月 - 七五三:子どもの成長を祝う七五三の参拝があります。
- 12月31日 - 年越大祓、除夜祭:一年の穢れを祓い、新年を迎える準備をします。
社殿と石灯籠の歴史
神明神社の社殿は1945年(昭和20年)の大空襲によって焼失しましたが、1997年(平成9年)に再建されました。現在も天保年間に建立された石灯籠が境内に残っており、天保4年と天保12年の年号が刻まれています。表参道の入口には慶応4年(1868年)に建立された石灯籠もありますが、これは「堺事件」との関連があるかは不明です。
蘇鉄山について
神明神社の境内には、大浜公園内にある「蘇鉄山」(そてつやま)があります。蘇鉄山は標高6.97メートルの人工的な築山で、山頂には一等三角点が設置されています。この一等三角点がある山としては日本で最も低いことから、「日本一低い山」として親しまれています。登山愛好家や観光客にとっても一種の名所となっており、神明神社の社務所では「蘇鉄山登山認定証」が発行されています。
アクセス情報
公共交通機関でのアクセス
神明神社へのアクセスは便利で、堺市内外からのアクセスも良好です:
- 電車:阪堺線の「宿院」駅から徒歩約5分
- バス:南海バス「堺東駅前」から堺駅行きに乗り、「堺市役所前」で下車し徒歩約7分
周辺の観光スポット
神明神社の周辺には「大浜公園」や「堺市博物館」などもあり、観光にも最適です。神社での参拝を楽しんだ後、周辺を散策することで堺市の歴史や自然に触れることができます。
まとめ
神明神社は、大阪府堺市堺区に位置する歴史ある神社で、多彩な年中行事や見どころが豊富です。蘇鉄山や歴史的な石灯籠なども見どころの一つで、堺市を訪れる際にはぜひ立ち寄りたい観光名所です。交通アクセスも良好で、近隣には観光スポットが点在しているため、歴史と自然を楽しむ一日を過ごすことができます。