展示内容:常設展と特別展・企画展
展示内容の概要
堺市博物館の展示は、常設展と特別展・企画展に分かれています。常設展のテーマは「百舌鳥古墳群と堺の歴史・文化」で、2019年7月に世界遺産に登録された大仙陵古墳(仁徳天皇陵古墳)をはじめとする百舌鳥古墳群の出土品を展示しています。
また、近世の自由都市として栄えた「堺」の都市史資料や、鉄砲などの交易品、堺出身の行基や千利休などの著名人の資料も紹介されています。さらに、堺の寺社に伝わる文化財や堺ゆかりの絵画・工芸品などを展示し、古代から近代に至るまでの堺の歴史と文化を丁寧に紹介しています。
ユネスコ関連施設
2011年10月には、ユネスコが賛助する「アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)」が館内に設置されました。これにより、無形文化遺産の研究拠点としての役割も果たしています。
また、2013年には堺名誉大使である彫刻家の籔内佐斗司によって、公式キャラクター「サカイタケルくん」が誕生し、来館者に親しまれています。
施設の構成
堺市博物館の展示室は以下の通り、時代ごとに分かれています。
- 展示室1 - 古代~古墳の時代~
- 展示室2 - 中世~中世の堺~
- 展示室3 - 近世・近代~堺の産業・文化~
- 展示室4 - 堺の宗教文化、堺市博物館の収蔵庫から
また、館内には「伸庵」と「黄梅庵」の2つの茶室があり、いずれも登録有形文化財に指定されています。さらに、2014年3月には休憩コーナーに「百舌鳥古墳群展示コーナー」が設置され、ロビーには約200インチの大型スクリーンを備えた「百舌鳥古墳群シアター」が設置されました。
収蔵品の紹介
堺市博物館は多くの貴重な文化財を収蔵しており、主な収蔵品は以下の通りです。
重要文化財
- 木造観音菩薩立像(白檀製、飛鳥時代、堺市・円通寺旧蔵)
- 漆塗太鼓形酒筒(文明5年・1473年)
- 大阪府陶邑窯跡群出土品 - 須恵器2,572点、窯道具類3点、瓦塼類10点
- 大阪府大野寺跡(土塔)出土品 - 刻書瓦780点、刻書須恵器残欠4点など
- 旧浄土寺九重塔(石塔) - 嘉元二二(四)年・1306年銘
常設展示中の資料
- 仁徳天皇陵古墳石室石棺図(複製)
- 仁徳天皇陵古墳甲冑図(複製)
- 大塚山古墳出土鉄製品
- 堺環濠都市遺跡出土資料
- 南蛮船(カラック)模型
- 堺鉄砲、慶長大火縄銃(大阪府指定文化財)
- 堺緞通織機、ふとん太鼓など
その他の収蔵品
堺市博物館にはその他にも「南蛮屏風(重要美術品)」や「大寺縁起下絵(大阪府指定文化財)」、「山上宗二記(堺市指定文化財)」など多くの文化財が収蔵されています。これらの展示は、堺の歴史的・文化的な背景を深く知ることができる貴重な資料です。
周辺施設
堺市博物館がある大仙公園内には、堺市立中央図書館や日本庭園、堺市都市緑化センターなどの施設も点在しており、周辺を散策することで歴史や自然を楽しむことができます。また、かつては自転車博物館がありましたが、新築移転し、2022年3月にシマノ自転車博物館として新たにオープンしました。
交通アクセス
- JR阪和線「百舌鳥駅」から西へ徒歩8分
- 南海高野線「堺東駅」から深井駅行き、あみだ池行きで「堺市博物館前」下車
- 泉北高速鉄道「深井駅」から堺東駅前行きで「堺市博物館前」下車
以上のように、アクセスも便利で、堺市博物館は堺の歴史や文化を学びたい方にとって理想的な観光スポットとなっています。ぜひ訪れて、古代から近代までの堺の魅力に触れてみてください。