旧丹治商会の概要
旧丹治商会は、かつて大阪府堺市堺区で瓦製造を行っていた会社です。この会社を設立したのは、旧舳松村出身の瓦師・丹治利右衛門で、屋根瓦の製造を目的として創業されました。現在の旧社屋は明治後期に建築されたもので、2017年に改装され、現在はイタリアンレストランとして利用されています。
旧社屋の特徴
旧丹治商会の社屋は、南向きに建てられた煉瓦造の2階建ての建物で、建築面積は58平方メートルです。外壁には装飾煉瓦が施されており、正面玄関や西玄関の上部にはステンドグラスが配置されています。これにより、旧社屋は明治後期の瀟洒(しょうしゃ)な意匠を反映しています。
登録有形文化財としての登録
2018年11月2日には、旧丹治商会の旧社屋が国の登録有形文化財として登録されました。この文化財には、社屋だけでなく、門や煉瓦塀も含まれています。これらの建物は、明治後期に建てられたものであり、今もなお当時の趣を残しています。
建築の詳細
旧丹治商会の建築は、瀟洒でありながら堅牢な意匠を持っています。四隅には柱形が表され、窓には欠円アーチを採用し、アーチ部分には二段の水切りが設けられています。屋根の端に装飾が施されたコーニスや、背面に設置された円窓など、細部に至るまで洗練されたデザインが施されています。
門および煉瓦塀
旧丹治商会の敷地内には、前庭を囲むように門と煉瓦塀が設けられています。門は石造で幅2.1メートルあり、その両側に煉瓦塀が広がります。煉瓦塀は総延長18メートルで、透塀として煉瓦を千鳥に積み上げた装飾が施されており、所々に焼過煉瓦や役物を配置することで意匠性が高められています。また、煉瓦塀の両側面は高さ4メートルの高塀となっており、堅牢な作りが社屋と調和しています。
歴史的な景観の保存
旧丹治商会の周辺には、関連する建物と考えられる煉瓦造の蔵や煉瓦塀が残っており、当時の歴史的景観を今に伝えています。これらの建物群は、堺市の住宅地にある一角に位置し、堺市の歴史的な景観の一部として観光客に親しまれています。
現地情報とアクセス
住所
大阪府堺市堺区永代町1丁7-1
交通アクセス
旧丹治商会へのアクセス方法としては、南海高野線の堺東駅から徒歩約18分、または阪堺電気軌道阪堺線の寺地町停留場から徒歩約10分の距離に位置しています。
営業情報
旧丹治商会はイタリアンレストランとして以下の通り営業しています:
- 営業日 - 月、火、木~日、祝日、祝前日
- 営業時間 - 11:30~21:00
旧丹治商会を訪れる魅力
旧丹治商会は、歴史ある瓦製造会社の建物として、またイタリアンレストランとしても、多くの訪問者に親しまれています。堺市の歴史的な一面を垣間見ることができるため、歴史建築に興味がある方や、明治時代の美しい建築を堪能したい方には見逃せないスポットです。建物全体にわたって施された装飾やデザインは見応えがあり、門や煉瓦塀とともに明治後期の建築様式を今に伝えています。
旧丹治商会の魅力をぜひ一度ご体験ください。