寺院の歴史
林昌寺の起源は古く、伝承によれば、聖武天皇の勅願寺として行基によって天平年間(729年〜748年)に創建されたとされています。また、行基が建立したと伝わる四十九院の一つともされています。
もともとは「温泉山菩提院岡寺」と称されていましたが、堀河天皇が当地を訪れた際、見事なツツジの景観に感銘を受け、山号を躑躅山、寺号を林昌寺と改めるよう勅命を下しました。
天正5年(1577年)の織田信長による雑賀攻めで全山が焼失しましたが、江戸時代に再建され、今日の姿へと整えられました。
境内の見どころ
庭園「法林の庭」
林昌寺の庭園「法林の庭」は、昭和36年(1961年)に造園家重森三玲(しげもりみれい)によって作庭されました。この庭園は、日本を代表する作庭家である重森氏の技が存分に発揮された名庭で、初夏にはサツキが美しく咲き誇ります。
ツツジの名所
境内は山号にもなっているツツジの名所としても有名で、毎年4月下旬から5月中旬にかけて美しい花々が咲き誇ります。ツツジは本堂へ向かう坂道や庭園周辺など、寺全体に広がっています。
仏足石
庭園「法林の庭」の近くには「仏足石」があります。この仏足石は全国的にも珍しいもので、寺の歴史的価値を象徴する重要な遺産の一つです。
補陀洛渡海碑
山門付近には「補陀洛渡海碑」が立っています。この碑には梵字や文字が刻まれ、仏教的な信仰と文化の歴史を感じさせます。
愛宕大権現社
境内の山頂には愛宕大権現社が鎮座しており、寺全体の厳かな雰囲気を一層引き立てています。
文化財
林昌寺は歴史的にも文化的にも貴重な遺産を有しています。その一例として、弥生時代の銅鐸「袈裟襷文銅鐸」が挙げられます。この銅鐸は大阪府立弥生文化博物館に寄託されており、寺の長い歴史を物語る重要な品です。
年間行事
火渡り神事
毎年1月には、愛宕山山頂で山伏による「紫燈大護摩供」が行われます。護摩焚きの後、まだ熱い炭の上を歩く「火渡り神事」が行われ、参拝者も参加することができます。この行事は災難厄除けや家内安全を祈願する貴重な体験です。
交通アクセス
林昌寺へは以下の方法でアクセス可能です。
- JR阪和線「和泉砂川駅」から徒歩20分
周辺情報
林昌寺の周辺には以下の観光スポットがあります。
- 海会寺跡
- 古代史博物館
- 長慶寺
- 往生院
- 一岡神社
- 樫井古戦場跡
- 市場稲荷神社
林昌寺は、歴史的な価値と自然美が融合した寺院であり、多くの観光客や信仰者が訪れる魅力的なスポットです。ぜひ訪れてみてください。