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槇尾山

(まきおさん)

槇尾山は、大阪府和泉市に位置する標高600mの山で、豊かな自然に囲まれ、霊峰として親しまれています。特に標高500m付近には、行基や空海が修行したとされる古刹「施福寺」があり、多くの参拝登山者が訪れる霊場です。

槇尾山は、和泉市側だけでなく、河内長野市滝畑側からのハイキングコースも整備されており、近隣市民が気軽に登山を楽しむことができます。また、登山道沿いには自然豊かな景観が広がり、四季折々の風景を楽しむことができます。

槇尾山グリーンランドと青少年の家

槇尾山の中腹には、青少年の活動の拠点として利用される「和泉市立青少年の家」があります。ここでは、多目的ホール、談話コーナー、食堂、浴室などの快適な設備が整っており、多くの人々に利用されています。また、施設内からは、八ヶ丸山頂(標高419m)までの森林浴コース「槇尾山グリーンランド」への登り口があり、山頂展望台からは大阪湾や六甲山、淡路島、関西国際空港などを一望できます。

さらに、槇尾山グリーンランド内では、地元産業であるみかん園が点在し、シーズンにはみかん狩りも楽しむことができます。加えて、全長100mのローラー滑り台やあじさい園、芝生広場もあり、家族連れや子どもたちに人気のスポットです。

施福寺について

施福寺(せふくじ)は、標高500m付近にある天台宗の寺院で、槇尾山の歴史と共に重要な存在です。施福寺はかつて修験道の寺院であったとされ、行基や空海も修行を行った場所として知られています。和泉国の代表的な名刹として全国的に有名で、西国三十三所巡礼の第四番札所でもあります。

寺宝として、国の重要文化財に指定されている「槇尾山大縁起」が有名で、多くの参拝者が訪れています。また、境内には本尊の弥勒菩薩と札所本尊の千手観音が祀られており、参拝者の心を癒しています。境内からは南東に岩湧山、東に金剛山が望め、春には桜、秋には紅葉が見事な景観を楽しめます。

周辺のハイキングコースと観光スポット

槇尾山には、三国山や宿山、鍋谷峠へ通じる山道が存在しており、登山やハイキングを楽しむ人々に人気のスポットとなっています。しかし、これらの山道には迷いやすい箇所があり、遭難事故も発生しているため、注意が必要です。特に河内長野市側から登山する場合は、分岐点で山道へ入らないように注意が促されています。

捨身ヶ岳と展望

槇尾山の頂上である捨身ヶ岳への登山道は分かりにくく、登頂する人は少ない状況です。そのため、多くの参拝者は施福寺周辺を山頂と勘違いすることがあります。捨身ヶ岳山頂からの展望はさほど良くはありませんが、蔵岩や仏岩と呼ばれる岩場があり、ロッククライミングを楽しむ愛好者もいます。蔵岩からの景色は非常に良く、登山者に人気のスポットです。

また、山中には清水の滝、人智開明の滝といった自然の滝が存在しますが、滝への道はやや複雑で、危険な箇所もありますので訪れる際には十分な注意が必要です。なお、2015年現在、捨身ヶ岳山頂と蔵岩は立入禁止区域となっています。

ダイヤモンドトレールの終着点

槇尾山は、奈良県香芝市の屯鶴峯を起点とする自然歩道「ダイヤモンドトレール」の終着点でもあります。トレッキングを楽しむ登山者にとっては、ダイヤモンドトレールのゴールとしての達成感を味わえる魅力的な場所です。

槇尾山への交通アクセス

かつては南海バス光明池営業所が南海本線泉大津駅から「槇尾山」バス停までの路線バス(父鬼線34系統)を運行していましたが、2005年7月に一部区間が廃止され、現在は「槇尾山口」までの運行となっています。

2005年12月からは和泉市のコミュニティバス「オレンジバス」が槇尾山ルートを運行しており、槇尾中学校前から槇尾山までを結ぶルートが提供されています。この区間はフリー乗降区間となっており、ハイキング利用者にも便利です。

河内長野市側のハイキングコースの最寄りバス停は、南海高野線および近鉄長野線の河内長野駅から運行される「日野・滝畑コミュニティバス」の「滝畑ダム」バス停です。また、車でのアクセスの場合は、大阪府道228号槇尾山仏並線を利用するのが便利です。

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槇尾山
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