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泉大津市

(いずみおおつし)

泉大津市は、大阪府の泉北地域に位置する市で、和泉国の国府の外港(国津)として知られています。江戸時代には、和泉木綿の集散地として繁栄し、特に繊維産業が発展しました。この地盤を活かし、明治時代には毛布の製造が始まり、現在も泉大津市は国内産毛布の9割以上のシェアを誇る毛布のまちとして発展を続けています。泉大津市は、歴史的な旧跡や豊かな自然に囲まれた魅力的な観光スポットが数多くあります。

旧跡

泉大津市には、歴史的価値のある旧跡が点在しており、歴史に触れられるスポットが多くあります。

池上・曽根遺跡

この遺跡は、和泉市と泉大津市にまたがっており、古代の歴史を感じられる場所として知られています。

田中本陣

歴史的な宿場の面影を残す本陣で、泉大津市の歴史を感じることができます。

泉穴師神社

泉穴師神社は、和泉国二宮として親しまれており、神聖な雰囲気が漂う神社です。

大津神社

大津神社は、明治時代に近隣の神社を合祀し、「若宮八幡宮」から改称されました。本殿には、市の有形文化財である「粟神社の本殿」が移設されており、室町時代の組物が使用されています。また、江戸時代の絵馬も保管されているため、歴史的な価値が高い神社です。

助松神社

泉大津市の助松町に位置し、地域の人々に親しまれる神社です。

曽禰神社

古くからの歴史を持つ神社で、厳かな雰囲気が漂います。

二田城(蓮華寺)

かつて二田城があった場所で、現在は蓮華寺が建てられています。歴史的な背景を感じられるスポットです。

観光スポット

泉大津市には、観光客に人気のスポットが多く、家族連れやカップルで楽しめる施設が揃っています。

泉大津市立織編館

泉大津市の織物文化に触れることができる施設で、地元産業の歴史と魅力を学ぶことができます。

きららタウン泉大津

阪神高速4号湾岸線泉大津パーキングエリアに隣接する商業エリアで、関空泉大津ワシントンホテルが所在します。このホテルのベランダでは、絶滅危惧種の「ハヤブサ」が営巣しており、2004年から観察されています。2011年には、NHKの番組「ダーウィンが来た!」で特集されました。

ひまわり広場

ひまわりが咲き誇る美しい広場で、季節ごとに異なる景色が楽しめます。

泉大津フェニックス

泉佐野みどり推進機構が運営する屋外イベントスペースで、大阪湾フェニックス計画に基づき産業廃棄物で造成された埋立地にあります。さまざまなイベントが開催され、訪れる人々を楽しませています。

祭事

泉大津市には、地域の伝統を感じられる祭りがあり、特にだんじり祭りは多くの観光客を魅了します。

泉大津だんじり祭り

毎年10月の第2土曜日と日曜日に開催される「だんじり祭り」は、泉大津市の代表的な祭りです。合計20台のだんじりがあり、12台は岸和田型の「下だんじり」、8台は大津型の「上だんじり」として区別されています。特に「かちあい」という、だんじり同士がぶつかる迫力ある場面は、他では見られない独特の魅力を持っています。

大津踊り

泉大津市の無形民俗文化財に指定されている「大津踊り」は、地元の人々によって受け継がれてきた伝統的な踊りで、地域の行事としても重要な役割を果たしています。

現代の泉大津市

泉大津市は、昭和初期に港湾が近代化され、堺泉北臨海工業地帯の一角として工業や物流の拠点としての役割も担っています。近年では、港湾や中心駅周辺の再開発が進められており、人口は2000年代前半まで増加傾向にありましたが、2005年以降は減少傾向にあります。

泉大津市の地理

市内は平坦で、起伏がほとんどない地形が特徴です。市南端には大阪府の二級河川である大津川が流れています。また、埋め立てによって市の面積が少しずつ増加しているのも特徴です。

市内の主な河川

泉大津市の歴史

古代の泉大津

泉大津市の二田という地名は、紀元前4~5世紀に九州から東進してきた饒速日尊(にぎはやひのみこと)と共に物部氏族の二田氏がこの地に住み着いたことに由来しています。また、奈良時代には「大津」の地名が見られ、『日本書紀』にも登場しています。

平安時代の泉大津

紀貫之の『土佐日記』には、土佐から京へ帰る途中に小津(をづ)という地が詠まれています。さらに、菅原孝標女の『更級日記』にも、和泉守であった兄の菅原定義を訪ねた際に大津の地が記されています。

戦国時代から江戸時代の泉大津

戦国時代には、大津城(眞鍋城)が築かれ、その後、安土桃山時代には南溟寺が建立されました。江戸時代には、泉州地域で綿花栽培が盛んになり、泉大津市は綿花の集散地として栄え、真田紐などの繊維製品の生産が行われるようになりました。

明治以降の発展

明治時代に毛布の製造が始まった泉大津市は、繊維産業の中心地として一大生産地に発展しました。現在も毛布の町として国内に広く知られています。

泉大津市の沿革

泉大津市の公共交通

最寄りの空港

泉大津市の最寄り空港は関西国際空港ですが、市民の多くは大阪国際空港(伊丹空港)も利用しています。

鉄道

市の中心となる駅は泉大津駅で、南海本線の主要駅です。市内にはJR阪和線の駅はありませんが、阪和線は和泉府中駅の北側でわずかに泉大津市を通過しています。泉大津駅は南海本線で5位の乗降者数を誇ります。

路線バス

泉大津駅発着の路線バスは南海バスが運行しており、隣接する和泉市の各地域へのアクセスを担っています。また、社会福祉を目的とした「ふれあいバス」も運行しており、これは高齢者や障害者、妊婦などの利用者に限定され、無料で提供されています。

泉大津市の道路網

高速道路

泉大津市には高速道路のインターチェンジやジャンクションがあり、広範囲へのアクセスが可能です。市内の道路網は格子状に整備されており、特に富田林泉大津線は和泉市中南部からのアクセスが集中し、渋滞が生じやすい傾向にあります。

フェリー

泉大津港(堺泉北港)からは、阪九フェリーが新門司港まで運航しており、物流拠点としても重要な役割を果たしています。地元ではこの港を「新港」と呼ぶこともあります。

まとめ

泉大津市は、歴史と産業が息づく町で、特に毛布製造を中心とした繊維産業で日本国内に知られています。港湾施設や交通インフラが整備され、地域の発展と共に物流や工業の拠点としても機能しています。

泉大津市は、歴史的な名所と現代的な観光スポットが融合した魅力的な市です。訪れる人々は、伝統文化と新しい発見の両方を楽しむことができるでしょう。観光を通じて、泉大津市の豊かな歴史と地域の活力を感じてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
泉大津市
(いずみおおつし)

堺・泉南

大阪府