設立の背景と目的
1997年、泉南市の文化遺産を調査・研究し、保管や公開を行うことを目的に開設されました。この施設は、国の史跡である「海会寺跡」と、国重要文化財の「海会寺跡出土品」を中心とした泉南市の埋蔵文化財の調査・保存・公開に大きな役割を果たしています。
海会寺跡と出土品の魅力
古代史博物館は、白鳳時代の大寺院である「海会寺跡」の隣接地に位置し、史跡から発掘された多くの出土品を展示しています。特に302点の出土品が国重要文化財に指定されており、その一部は2階の常設展示室で公開されています。これらの展示を通じて、訪問者は泉南市の古代文化に触れることができます。
施設概要
古代史博物館部門
- 展示ホール:海会寺跡を一望できるガラス張りのホールで、相輪(五重塔の頂上部分)の復元模型が設置されています。
- 特別展示室:国重要文化財「海会寺跡出土品」の中から約100点を展示。歴史的な価値の高い出土品を見ることができます。
- 図書情報コーナー:歴史関連の書籍やビデオを自由に閲覧可能なスペース。
- 講堂兼視聴覚室:フォーラムや講演会など、文化財普及イベントの会場。
- ミュージアムショップ:関連書籍やオリジナルグッズの購入が可能。
埋蔵文化財センター部門
- 荷解場:発掘調査で出土した遺物の搬入や選別を行う場所。
- 仮収蔵庫:整理作業に向けた遺物の下準備が行われます。
- 洗浄室:遺物を慎重に洗浄し、痕跡を見逃さないようにします。
- 遺物整理室:遺物に情報を記載し、接合や復元作業を行います。
- 特別収蔵庫:国宝や重要文化財を適切な温湿度で保管。
特徴的な展示
相輪模型
海会寺跡で出土した多くの破片を基に、実物の3分の1スケールで復元された相輪模型は、海会寺の五重塔の壮麗さを再現しています。この五重塔は高さ30メートル以上であり、その頂上に輝く相輪が往時の栄華を物語っています。
常設展示室
特別展示室では、瓦や金属製品、仏像など、多数の国重要文化財が常設展示されています。これにより、白鳳時代の海会寺跡を中心とした文化遺産の詳細を学ぶことができます。
図書情報コーナー
1000冊以上の歴史関連図書を自由に閲覧できるスペースです。また、マンガや映像資料も揃っており、幅広い年齢層に対応した学習環境を提供しています。
埋蔵文化財センターの役割
埋蔵文化財センターは、市内の発掘調査で出土した遺物を整理・保管し、それを文化財普及啓発の一環として展示公開する役割を担っています。施設内では、発掘された遺物が洗浄、記名、接合、復元され、最終的に展示や研究に使用されます。
アクセスと利用案内
古代史博物館と泉南市埋蔵文化財センターは、大阪府泉南市にあり、車や公共交通機関でアクセス可能です。展示見学や講演会、体験型学習プログラムへの参加を通じて、日本の古代史に触れてみてはいかがでしょうか。
本施設では、訪問者が歴史的な遺産を楽しみながら学ぶことができる多彩なプログラムを提供しています。