山本八幡宮は、大阪府八尾市山本町に位置する神社です。旧社格は村社で、地元住民から長年にわたり信仰を集めています。この神社は、誉田別尊(応神天皇)を主祭神としており、八尾市の歴史や文化に深く根差した存在です。
山本八幡宮は、近鉄河内山本駅のすぐ北側、玉串川の西岸に面し、立石街道の南沿いにあります。周囲には住宅街が広がる一方、境内は静寂に包まれた空間となっています。規模は小ぢんまりとしていますが、地域住民の心の拠り所として重要な役割を果たしています。
山本八幡宮の歴史は江戸時代にさかのぼります。享保元年(1716年)、山本新田の開発者である山中庄兵衛正永と本山弥右衛門重英(加賀屋)らが、石清水八幡宮から神霊を勧請し、山本新田の鎮守として創建されました。当初は「山本八幡神社」という名称でした。
享保13年(1728年)に加賀屋から泉屋住友吉左衛門に所有が移った後は、住友家の崇敬と保護を受け、近代までその関係が続きました。昭和15年(1940年)、住友住宅が山本新田での宅地分譲を終えた際、住友住宅より土地が寄贈され、社務所が新築されました。
さらに昭和31年(1956年)には、旧橿原神宮の古材を用いて社殿が改築され、恩智神社の社家である新海氏を宮司として迎え入れました。この頃、神社名を「山本八幡宮」に改称しました。その後も境内整備や施設改修が行われ、現在の姿に至っています。
1994年から1997年にかけて、大規模な改修が実施されました。この間、社務所・集会所・神楽殿が撤去され、境内北西角に鉄筋4階建てのビルが建設されました。また、敷地東側の玉串川沿いに歩道が整備され、正面にあった太鼓橋も撤去されました。
山本八幡宮には摂社として妙見宮が鎮座しています。この神社では、祭神として北辰明神(北極星を神格化した神)が祀られています。北辰明神は、国土の守護、災害の滅除、長寿延命などに霊験があるとされています。かつては住友家の守護神でもありました。
大阪府八尾市山本町1-2-16
最寄り駅は近鉄大阪線の「河内山本駅」で、駅の北隣に位置しており、徒歩ですぐに到着できます。
山本八幡宮は、その歴史的背景や地元とのつながりから、地域の大切な文化財といえます。近代的な改修も行われつつ、伝統的な雰囲気を保ち続けています。歴史散策や参拝を通じて、この神社の魅力をぜひ体感してください。