山畑古墳群は、大阪府東大阪市南東部(上四条町や瓢箪山町付近)に広がる群集墳で、東大阪市内では最大規模を誇ります。 6世紀後半から7世紀初頭にかけて築かれたとされ、主に直径10~15m程度の円墳で構成されていますが、双円墳や上円下方墳も含まれています。 かつては100基以上存在したとされますが、住宅開発などで破壊され、現在では約70基が確認されています。
この古墳群の大部分は東大阪市立郷土博物館の周囲に密集しており、基本的に横穴式石室を有しています。 発掘調査では多くの古墳から馬具類が出土しており、この地域が馬の飼育を行っていた渡来系氏族「馬飼部」の勢力地であったと考えられています。 これらの墳墓はその一族のものと推定されています。
東大阪市立郷土博物館の敷地内に位置する古墳です。かつては東西に円丘を持つ双円墳でしたが、現在は東丘が消失し、 西丘のみが保存されています。西丘は直径15m、墳丘高約4.5mで、横穴式石室が確認されています。 発掘調査では石室から土器・装身具・馬具が出土しており、これらは郷土博物館にて保管・展示されています。
通称「成山古墳」と呼ばれる円墳で、直径約15m、墳丘高約3mの規模を有します。石室の開口は確認されていません。
山畑古墳群の中で最も標高の低い位置にある古墳で、6世紀後半に築造されたとされています。南北の墳丘長が約50mの双円墳と推定され、 その形状から「瓢箪山」とも呼ばれています。北側の墳丘は「大塚」、南側の墳丘は「鬼塚」と呼ばれ、西側には瓢箪山稲荷神社が位置しています。
東大阪市立郷土博物館は、1972年(昭和47年)に東大阪市教育委員会によって開館しました。 その後、1996年からは財団法人東大阪市文化財協会が管理・運営を行い、2006年には指定管理者制度を導入しました。 博物館は生駒山麓の西側斜面に位置し、敷地内や周辺には山畑古墳群が広がっています。
館内には「かわちのくに」という常設展示があり、旧石器時代から明治時代までの歴史資料が8つのコーナーに分かれて展示されています。 特に河内木綿の復興に力を入れており、機織り機やつむぎ車の展示、綿の栽培に関する情報も充実しています。
開館時間: 9時30分~16時30分(最終入館16時半)
休館日: 毎週月曜日・祝日の翌日、年末年始
入館料: 一般100円、大学生・高校生50円、小中学生30円(団体割引あり)
近鉄奈良線瓢箪山駅から東南東へ徒歩約20分の距離に位置しています。
山畑古墳群の近くにある歴史ある神社で、地域の人々に親しまれています。