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玉串川

(たまくしがわ)

玉串川は、大阪府を流れる淀川水系の農業用排水路であり、法定外公共物に指定されています。長瀬川と共に「農林水産省の疎水百選」に選ばれ、その歴史や美しい桜並木で知られています。

地理

玉串川は大阪府八尾市二俣で長瀬川から分流し、八尾市中央部を北上します。そして、東大阪市玉串元町で第二寝屋川に合流します。川幅はおおむね5メートルほどで、護岸は石積みやブロックで整備されています。

歴史

玉串川の歴史は天平勝宝6年(754年)に遡ります。当時、風雨を鎮めるために「玉櫛笥(たまくしげ)」が旧大和川上流より流され、津原(現在の花園本町)の池にたどり着いたことが川の名前の由来とされています。その後、津原神社が建立され、風水害が収まったと伝えられています。

1704年の大和川付け替えによって農村は一時的に農業用水を失いましたが、旧河川を利用して新たな用水路が整備されました。これが現在の長瀬川と玉串川です。

近代以降の変遷

昭和40年代以前の玉串川は、東大阪市内を北上し、大阪市城東区で楠根川に合流していました。しかし、1969年の第二寝屋川の開削により、北部の流れが分断され、多くの部分が埋め立てられました。

環境改善と保全活動

高度経済成長期には水質の悪化が深刻化していましたが、その後、遊歩道の整備や水生植物の植栽、簡易式曝気施設の設置などの取り組みにより、環境改善が進みました。これに伴い、コイやフナの稚魚も放流され、川の生態系が再生しています。

流域の風景と桜並木

流域周辺は、八尾市柏村南部の田畑や閑静な住宅街が広がり、一部地域は商業地となっています。川沿いには桜の木が植えられており、1960年代に地域住民の寄付により植樹されました。例年3月下旬から4月初旬にかけて満開となる桜並木は「大阪みどりの百選」にも選ばれています。

桜並木の魅力

「玉串川桜並木」は、平成元年度「手づくり郷土賞(生活の中に生きる水辺)」を受賞し、地域のシンボルとして親しまれています。

流域にある施設

まとめ

玉串川はその歴史的背景、環境改善活動、美しい桜並木など多くの魅力を持つ川です。地域住民の努力による保全活動が実り、現在も多くの人々に親しまれています。訪れる際には、流域の景色を楽しみながら、その歴史や自然の豊かさを感じてみてはいかがでしょうか。斎橋・難波・天王寺

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玉串川
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