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堤根神社

(つつみね じんじゃ)

堤根神社は、大阪府門真市に位置する歴史ある神社です。この神社は茨田堤(まんだのつつみ)の鎮守として創建されたと伝えられ、平安時代の『延喜式神名帳』にも記載された式内社の一つです。ただし、門真市内には「堤根神社」を名乗る神社が2つ存在し、どちらも式内社であると称しています。

宮野町の堤根神社

概要と歴史

門真市宮野町に鎮座する堤根神社は、淀川の支流である古川の南岸、かつての茨田堤の近くに位置します。旧社格は村社で、祭神として彦八井耳命(ひこやいみみのみこと)と菅原道真(すがわらのみちざね)が祀られています。

茨田堤の築造に関わった茨田氏が、この堤の守護として祖神である彦八井耳命を祀ったのが起源とされています。平安時代中期に編纂された『延喜式神名帳』では、河内国茨田郡五座の第一位に列せられ、門真市内唯一の式内社として記録されています。

江戸時代の変遷

江戸時代初期、寛永年間には、この地を治めていた永井尚政(永井信濃守尚政)が神社を崇敬し、菅原道真を合祀しました。それ以降、神社は「天満宮」として知られるようになりました。明治時代には「村社」に列格され、地域の信仰の中心となりました。

茨田堤跡と名木

神社の境内近くには、茨田堤の一部が現在も残っており、その上には樹齢500年以上とされる巨大なクスノキが育っています。昭和時代初期には茨田堤跡がもっと長く残っていましたが、宅地開発により削られてしまいました。昭和48年に大阪府史跡「伝茨田堤」に指定され、一部が保存されています。

堤根神社のクスノキ

このクスノキは神社の象徴的な存在であり、地域住民に親しまれています。その圧倒的な存在感と歴史的価値から、多くの参拝者を引きつけています。

稗島の堤根神社

概要と祭神

稗島(ひえじま)にある堤根神社の祭神は、天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、素盞嗚神(すさのおのかみ)、大己貴神(おおなむちのかみ)です。この神社の創建年代は不詳ですが、文禄3年(1594年)の検地帳には、稗島・桑才2村の氏神として「山王宮」と記されています。

「山王」という社名は、大己貴神を祀ることに由来するものと考えられます。また、享保10年(1725年)の検地帳では「八剣大明神」と記され、素盞嗚神を祀ることに由来するとされています。元文3年(1738年)には天照大神も加えた三柱の神々を祀るようになりました。

近代の歴史

明治時代になると「両村神社」と称し、2村の氏神としての役割を担いました。その後、明治41年に式内・堤根神社の後裔を称して「堤根神社」に改称されました。しかし、式内社であることを示す確証はなく、当時行われていた神社合祀を免れるための措置であったと考えられます。同年には三島神社に合祀されましたが、昭和21年に独立して旧地に復興されました。

堤根神社の見どころ

歴史的価値と信仰

堤根神社は、門真市の歴史を感じられる場所として地域住民や観光客に親しまれています。その歴史は茨田堤の築造や地域の信仰と深く結びついており、参拝を通じてその魅力を感じることができます。

自然との調和

特に宮野町の堤根神社にある樟(クスノキ)は、長い年月を経て神社の歴史を見守り続けてきた象徴的な存在です。歴史と自然が融合した神社の風景は、訪れる人々に静かな感動を与えます。

まとめ

堤根神社は、大阪府門真市にある歴史と自然が調和した神社で、地域の信仰を支え続けてきました。宮野町と稗島の堤根神社は、それぞれ異なる背景を持ちながら、地元の人々に愛される存在です。訪れることで、古代から現代までの歴史や文化に触れることができるでしょう。

Information

名称
堤根神社
(つつみね じんじゃ)

東大阪

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