三島神社は、大阪府門真市に位置する歴史ある神社です。この神社は、地元の人々に親しまれ、古くから信仰の対象とされてきました。特に、境内にある巨大なクスノキ「薫蓋樟(くんがいしょう)」が有名で、神社の魅力を一層引き立てています。
三島神社の創建時期は不明ですが、古くは「山王権現」と呼ばれていました。明治3年4月に「三島(三ッ島/三嶋)神社」と改称され、近代における神社の改革の一環として社名が統一されました。
明治5年には郷社に列せられ、地域の重要な神社として位置づけられました。その後、明治41年8月には稗島にある堤根神社(祭神:天照皇大神)が合祀されましたが、昭和28年には住民の希望により元の地に復帰しました。
明治42年8月には、神饌幣帛料供進社に指定され、国家からの供進を受ける神社として格上げされました。これにより、三島神社はますます地域の精神的支柱としての役割を果たすようになりました。
境内には数本の巨大なクスノキがありますが、その中でも「薫蓋樟」(くんがいしょう)は特に有名です。この木は、大阪府下最大のクスノキであり、昭和13年5月10日に国の天然記念物に指定されました。その存在感と歴史的価値は非常に高く、神社の象徴的な存在となっています。
薫蓋樟の樹高は約25メートル、幹周はおよそ12.5メートルにもなります。樹齢は推定1000年以上とされ、長い年月をかけて地域と共に生きてきました。
薫蓋樟は長い年月を経て幾多の困難を乗り越えてきました。昭和時代の室戸台風や宅地化の影響で一時樹勢が衰えましたが、地元の人々の努力により保存活動が進められ、現在ではその姿を取り戻しています。
薫蓋樟は1990年の「国際花と緑の博覧会」で「新日本名木100選」に選ばれたほか、1989年には「大阪みどりの百選」で人気ナンバーワンを獲得しました。また、巨樹研究専門家による「神秘的な巨樹ベスト10」で第9位にランクインしています。
「薫蓋樟」という名前は、幕末の公家・千種有文(ちぐさありふみ)が詠んだ和歌に由来しています。薫蓋樟の根元に立つ石碑には、以下の和歌が刻まれています。
村雨の 雨やどりせし 唐土の
松におとらぬ 樟ぞこの樟
この和歌は、薫蓋樟の美しさと壮大さを称えたものとして知られています。
境内には、歴史的な雰囲気を感じさせる石碑や鳥居が立ち並びます。また、クスノキの他にも多くの樹木が植えられ、自然豊かな空間が広がっています。
三島神社では、年間を通じてさまざまな祭礼や行事が行われています。地元住民にとって、この神社は単なる観光名所ではなく、生活の一部として存在しています。
三島神社は、大阪府門真市内に位置し、公共交通機関や車でのアクセスが可能です。最寄り駅やバス停からの案内も整備されており、訪れる人々にとって便利な立地です。
三島神社は、その歴史的価値や壮大な薫蓋樟をはじめとする自然の魅力で、多くの人々を引きつけています。大阪府を訪れた際には、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。静かな境内で過ごすひとときは、心を落ち着け、歴史に思いを馳せる貴重な体験となることでしょう。