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黄梅寺(黄梅禅寺)

(おうばいじ)

黄梅寺(黄梅禅寺)は、大阪府門真市に位置する曹洞宗の仏教寺院です。その山号は真手山(まてさん)、本尊は聖観世音菩薩坐像が祀られています。本寺院は地域の歴史と深く関わり、多くの文化財や仏教的教えを後世に伝えています。

黄梅寺の歴史

創建と起源

黄梅寺の創建については諸説があります。一説によれば、天文15年(1546年)、足利義輝(あしかがよしてる)によって建立されたとされています。一方、別の説では、明応2年(1493年)に室町幕府管領・畠山政長(はたけやままさなが)の次男である久俊が、母と共に門真に避難し、この地で創建したと記録されています。

黄梅寺と平安時代の関わり

黄梅寺は平安時代、伊勢斎宮(いせさいぐう)の荳角皇女(ささつのおうじょ)が滞在した「茨田真手御宿所跡(まったまておんしゅくあと)」に建てられたと言われています。また、寺の付近からは平安時代の土器が発掘され、歴史的な価値が認められています。

道元禅師と曹洞宗の教え

曹洞宗は鎌倉時代に道元禅師(どうげんぜんじ)によって中国から伝えられました。黄梅寺も曹洞宗の教えを基にし、「只管打坐(しかんたざ)」、すなわちひたすら坐禅に集中することを重視しています。坐禅を通じて物事の本質を見極め、心の調和を目指す教えが広く信仰されています。

誕生釈迦仏立像の発見

平成12年(2000年)、黄梅寺にて飛鳥時代後期(7世紀後半)の誕生釈迦仏立像が発見されました。この仏像は国内でも非常に珍しい特徴を持ち、右手を高く上げ、短いスカート状の装飾を身に纏っています。このような貴重な仏像が黄梅寺に存在することは、寺の歴史的背景の重要性を物語っています。

御本尊・聖観世音菩薩坐像

黄梅寺の本尊である聖観世音菩薩坐像は、木造玉眼で金泥塗りが施された美しい仏像です。この像は江戸時代に制作されたものと考えられ、本堂の中心的な存在として多くの参拝者の信仰を集めています。また、寺内には禅画や書も多く保管され、曹洞宗の教えを象徴する文化財として大切にされています。

年中行事の案内

春の行事

3月17日:春季・彼岸施食会
4月8日:釈尊降誕会

夏の行事

8月12日:盂蘭盆供養会

秋の行事

9月15日:秋季・彼岸施食会

冬の行事

1月8日:大般若祈祷会
2月15日:釈尊涅槃会
12月8日:釈尊成道会

黄梅寺へのアクセス

黄梅寺へのアクセスは便利で、京阪電車「西三荘駅」から徒歩7分、または地下鉄谷町線・モノレール「大日駅」から徒歩12分です。所在地は以下の通りです。

まとめ

黄梅寺は、歴史的な背景と仏教文化の保存において非常に重要な役割を果たしてきました。誕生釈迦仏立像や本尊聖観世音菩薩坐像をはじめ、多くの貴重な文化財と教えが受け継がれています。参拝者は、その歴史と美しさを堪能しながら、曹洞宗の教えに触れることができます。

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名称
黄梅寺(黄梅禅寺)
(おうばいじ)

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