樟本神社は、大阪府八尾市に鎮座する神社です。延喜式神名帳に「樟本神社 三座 鍬靱 河内国志紀郡鎮座」と記載された式内社で、現在は八尾市の木の本(旧丹北郡)、北木の本、南木の本(旧志紀郡)の3箇所に分かれて存在しています。それぞれに深い歴史と地域に根ざした信仰が息づいています。
樟本神社の創建は古墳時代以前にまで遡るとされ、具体的な年代は不詳です。古来、祭神は木霊(こだま)とされていましたが、後に布都大神(ふつのおおかみ)、饒速日命(にぎはやひのみこと)へと変わりました。特に当地が物部氏の旧領地であったことから、用明天皇の時代に物部守屋が守護神として信仰した神々が祀られたと考えられています。
かつて樟本神社は木本村に三座ありましたが、後に北木の本が分村し、さらに南木の本が分村したことで、それぞれに一座ずつ分けられました。それでは、各神社について詳しく見ていきます。
木の本一丁目の旧木本集落内に鎮座しています。南木の本の樟本神社から南の辻を西へ進んだ場所にあります。周囲には昔ながらの街並みが広がり、地元の人々に親しまれています。
本殿は格式のある造りで、静かな境内に佇んでいます。訪れる人々を迎え入れる荘厳な雰囲気が漂っています。
拝殿は本殿を訪れる参拝者が祈りを捧げるための場所です。周囲の自然と調和した設計が特徴です。
木の本の樟本神社を象徴する鳥居は、参道の入口に立ち、神聖な境内への入り口としての役割を果たしています。
北木の本の樟本神社は、旧大阪中央環状線沿い西側に位置しています。境内には「守屋首洗池」と呼ばれる伝説の池があります。この池は物部守屋の首を洗ったと伝えられ、直径約3mの小さな池ですが、神話の中に息づく歴史を感じさせます。
本殿は規模こそ小さいものの、神聖な雰囲気を保っています。三座の中でも最も小規模な神社ですが、静けさの中に独特の魅力があります。
この池は物部守屋の伝説を象徴する場所です。池の周囲には子どもたちが遊べる児童公園も併設されています。
北木の本の樟本神社の鳥居は境内の入口に立ち、訪れる人々を迎え入れます。素朴ながらも存在感のある造りが印象的です。
南木の本の樟本神社は、旧大阪中央環状線沿いに位置しています。広々とした境内は北側に社殿を構え、南側には黄檗宗の寺院「日羅寺」があります。
本殿は周囲の自然に囲まれ、静寂の中で神聖さを際立たせています。多くの参拝者が訪れるこの場所は、地域の信仰の中心です。
拝殿は、本殿への参拝者が祈りを捧げるための神聖な空間として機能しています。
境内南側にある日羅寺は、敏達天皇が百済から呼び戻した僧・日羅によって建立されました。寺の本尊である薬師如来像は多くの参拝者の信仰を集めています。
南木の本の樟本神社の鳥居は境内の入口に立ち、威厳のある佇まいで訪れる人々を迎えます。
樟本神社へのアクセスは以下の通りです: