大阪府 » 東大阪

常光寺(八尾地蔵尊)

(じょうこうじ)

常光寺は、大阪府八尾市本町にある臨済宗南禅寺派の寺院で、南禅寺塔頭金地院の末寺です。山号は「初日山」と称され、地元では「八尾地蔵尊」の通称で親しまれています。本尊は地蔵菩薩であり、古くから多くの人々に信仰されています。

境内には、大坂城の残石や「河内最古之音頭 発祥地」の碑があり、歴史的価値のある場所です。また、大坂の陣で戦死した藤堂家の武将たちの墓も設けられています。

歴史

創建と初期の歴史

常光寺は、奈良時代に僧・行基によって創建されたと伝えられています。創建当初は「新堂寺(しんどうじ)」と呼ばれていましたが、南北朝期の戦乱によって一時焼失し、荒廃しました。

復興と室町時代の繁栄

至徳2年(1385年)、土豪・藤原盛継によって再興されました。その翌年には地蔵尊や阿弥陀堂が再建され、寺院としての姿を取り戻しました。また、室町時代には足利義満が自筆で書いた「初日山」「常光寺」の額を納め、これらは現在も寺宝として保存されています。

大坂の陣と「血天井」の由来

江戸時代初期の大坂の陣では、常光寺周辺が激戦地となりましたが、本寺は徳川方の保護を受けました。徳川方の武将・藤堂高虎は、寺の住職居間(方丈)の縁側に敵方の首級を並べて「首実検」を行いました。その後、縁板は方丈の西廊下の天井に貼り替えられ、おびただしい血痕が残ったことから「血天井」と呼ばれるようになりました。

寺院の見どころ

山門と境内

山門脇には、大坂城の石垣に使われていたとされる残石が置かれています。また、「河内最古之音頭発祥地」の碑が建てられ、八尾の文化と歴史を感じることができます。

藤堂家の墓

境内には、大坂の陣で戦死した藤堂家の武将たちの墓があります。これらの墓は戦乱の歴史を伝える貴重な遺跡です。

行事

大般若会

毎年4月に開催される「大般若会」は、多くの人が参加する法要行事です。静かな雰囲気の中で祈りを捧げます。

地蔵盆会

8月23日・24日に行われる「地蔵盆会」は、子どもの健やかな成長を願う行事として有名です。地元の人々が集まり、賑やかな雰囲気で行われます。

河内音頭の発祥地としての役割

八尾市は「河内音頭」発祥の地として知られていますが、特に常光寺はその伝承を象徴する場所です。「流し節正調河内音頭」は、この寺で受け継がれた形式であり、今日の河内音頭の原型とされています。この音頭は「日本の音風景100選」にも選ばれており、地域文化の重要な一部を成しています。

アクセス

常光寺は、近鉄大阪線「八尾駅」から徒歩約10分の場所にあります。駅からのアクセスが良好で、周辺には歴史ある街並みも広がっています。

まとめ

常光寺は、歴史的価値や文化的魅力が詰まった寺院です。奈良時代の創建から南北朝期の復興、大坂の陣を経た歴史の舞台であり、河内音頭の発祥地としても有名です。また、境内の「血天井」や藤堂家の墓など、訪れる人々に多くの歴史的発見をもたらします。 地元の人々にとっても親しみ深いこの寺を訪れることで、八尾市の歴史や文化に触れる特別な体験ができることでしょう。

Information

名称
常光寺(八尾地蔵尊)
(じょうこうじ)

東大阪

大阪府