渋川神社は、大阪府八尾市植松町に位置する歴史ある神社です。式内社であり、旧社格は郷社に分類されています。 天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)、饒速日命(にぎはやひのみこと)、國狹槌尊(くにさつちのみこと)、日高大神(ひだかおおかみ)、菅原大神(すがわらのおおかみ)の五柱の神々を祭神としています。
創建の具体的な年月は不明ですが、古代よりこの地で崇敬を集めていた神社とされています。一説には、飛鳥時代に本地域を本拠地としていた物部守屋(もののべのもりや)の「渋河の家」の跡地ともいわれています。
かつて渋川神社は旧大和川の東側に位置していましたが、天文3年(1533年)の大洪水で境内全域が流失してしまいました。この時、御神体が北方の茨田郡新田村に漂着し、その後、元亀2年(1572年)に現在の場所に再建されました。
渋川神社の境内には、大阪府天然記念物に指定されているクスノキをはじめとした、樹齢数百年とされる壮大な樹木が立ち並び、訪れる人々に深い安らぎを与えています。
渋川神社では、毎年7月25日と26日に「夏祭り」が開催されます。この祭りは「逆祭(さかまつり)」とも呼ばれています。これは、洪水で御神体が川の上流に逆流して流れ着いたという伝承に由来しています。 地元の人々にとって重要な伝統行事であり、多くの参拝者で賑わいます。
渋川神社の境内には、「渋川神社のクス」として知られる巨木があります。このクスノキは1970年(昭和45年)2月20日に大阪府の天然記念物に指定され、地域のシンボル的存在となっています。
渋川神社は、JR大和路線「八尾駅」から徒歩約5分の距離に位置しており、駅からすぐ南にあるためアクセスが非常に便利です。周辺には地元商店街もあり、散策を楽しむことができます。
住所: 大阪府八尾市植松町 最寄り駅: JR大和路線 八尾駅
渋川神社は、八尾市における歴史と自然が調和した貴重な場所です。古代からの伝承や洪水の記録を背景にした祭り、壮大なクスノキなど見どころも多く、地元の人々だけでなく観光客にも親しまれています。 歴史ある雰囲気の中で、心穏やかに参拝してみてはいかがでしょうか。