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日下貝塚(日下遺跡)

(くさか かいづか くさか いせき)

日下貝塚、または日下遺跡は、大阪府東大阪市日下町に所在する複合遺跡です。 この遺跡は、縄文時代から古墳時代にわたる広範な歴史的価値を持ち、1972年(昭和47年)7月26日に国の史跡に指定されています。

遺跡の概要

「日下遺跡」として全域が埋蔵文化財包蔵地として周知されていますが、特に縄文時代の貝塚を中心とする部分が「日下貝塚」として知られています。 遺跡の立地は、生駒山地西麓の日下川右岸の標高約23.8メートルの扇状地末端部に位置しています。

地理的特徴

約6000~5000年前の縄文時代前期には、この地域は海に近い場所に位置していました。これは、縄文海進により海水が河内平野に進入し、生駒山麓まで内海が広がっていたためで、河内湾と呼ばれる内海が形成されていました。

発見と調査の歴史

日下貝塚は、大正時代に発見されました。特に1932年(昭和7年)には、山内清男によって東北地方の亀ヶ岡式土器が発見され、関西地方での初の発見例として注目されました。 その後、1960年(昭和35年)、1964年(昭和39年)、1966年(昭和41年)には、帝塚山大学の堅田直氏による発掘調査が行われました。

調査の成果

調査では、厚さ1メートル以上の貝層が確認され、大量の縄文土器や古墳時代の遺物が出土しました。このことから、日下貝塚がさまざまな時代の人々によって利用されてきたことがわかります。

出土品と考古資料

動物遺存体

出土した貝類の中で特に多いのは淡水貝のセタシジミで、全体の99%を占めています。その他にも以下のような動物遺存体が見つかっています。

人工遺物

土器や土偶をはじめ、石器、骨角器などの人工遺物が出土しています。これらの出土品は当時の生活や文化を知る重要な手がかりとなっています。

検出された遺構

日下貝塚からは以下のような遺構が発見されています。

アクセス情報

日下貝塚へのアクセスは、近鉄奈良線「石切駅」から徒歩約20分です。 遺跡の周辺には史跡や自然が多く、散策にも適した場所となっています。

まとめ

日下貝塚は、大阪府東大阪市に位置する重要な歴史的遺跡であり、縄文時代から古墳時代にかけての貴重な考古学的資料を提供しています。 自然豊かな環境とともに、その歴史的価値を感じることができる場所です。

Information

名称
日下貝塚(日下遺跡)
(くさか かいづか くさか いせき)

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