大阪公立大学附属植物園は、大阪府交野市に位置する植物園で、大阪公立大学の研究施設の一部として運営されています。一般公開も行われており、自然豊かな環境の中で多種多様な植物を楽しむことができます。
この植物園の前身は、1941年(昭和16年)に開設された「大阪市興亜拓殖訓練道場」であり、戦後の1945年9月には「大阪市立農事練習所」となりました。その後、1950年に大阪市立大学に移管され、「理工学部附属植物園」として設立されました。園長を務めた三木茂博士は、植物学の分野で多くの功績を残しました。
2021年には「附属植物園」に名称が変更され、2022年に大阪市立大学と大阪府立大学が統合されたことに伴い、「大阪公立大学附属植物園」となりました。
植物園は生駒山系の北西部、交野市私市の丘陵地帯に位置し、敷地面積は約26ヘクタールと府内最大級の広さを誇ります。園内は4つの尾根と3つの谷があり、ダイナミックな地形が特徴的です。また、世界各地の樹林型や日本の代表的な11種類の樹林型を復元しています。
植物園には高さ30mを超えるメタセコイアの林やクスノキの巨木があり、特にメタセコイアは三木茂博士が化石植物として命名した歴史的な存在です。この植物園には日本で二番目に古い苗木が現存しており、自然と歴史を感じさせる重要な見どころとなっています。
2022年4月には、文部科学省の共同利用・共同研究拠点として「過去に学び未来を拓く植物多様性保全研究・教育拠点」に認定されました。園内では、日本や外国産の植物を収集し、それらを長期的に保存・研究する活動が行われています。
特に、絶滅危惧植物の保全活動に注力しており、西日本産の希少植物を収集し、遺伝的多様性の解析や増殖方法の開発を進めています。また、植物園の収集物は研究者に提供され、植物学の発展に貢献しています。
園内の植物はできるだけ自然な状態で保存されており、落ち葉は腐葉土として自然に大地に還元されます。このように、環境との調和を意識した管理方針が植物園の特徴です。
クスノキやスダジイなどの常緑広葉樹、モミやツガなどの針葉樹を観察することができます。樹木の樹形や葉の特徴を知ることができるエリアです。
メタセコイアやヌマスギなど、「生きている化石」と呼ばれる植物が展示されています。歴史的背景とともに楽しめます。
2月下旬から4月中旬まで、多種多様な桜が次々と咲き誇る絶景ポイントです。
11月下旬から4月上旬まで、国内外のツバキが開花するエリアです。
大阪公立大学附属植物園は、豊かな自然環境と多種多様な植物が楽しめる魅力的なスポットです。植物学の研究施設としても、一般市民に開かれた憩いの場としても、多くの人々に親しまれています。訪れることで、自然の偉大さや植物の多様性について深く学ぶことができるでしょう。