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松岳山古墳

(まつおかやま こふん)

松岳山古墳は、大阪府柏原市国分市場に位置する前方後円墳です。この古墳は、松岳山古墳群の一部を構成しており、国の史跡に指定されています。さらに、出土品は柏原市指定有形文化財に認定されています。

古墳の概要

松岳山古墳は、大阪府東部の大和川左岸にある松岳山丘陵の頂部に築かれた大型前方後円墳です。松岳山古墳群の中で唯一の前方後円墳であり、その規模も特に大きいものです。古墳域は国分神社の境内にあり、別名「美山」とも呼ばれます。

墳形の特徴

墳丘は後円部で3段または4段、前方部で2段の構造となっています。葺石や円筒埴輪列が認められ、墳丘裾部には板石積みの外周施設が設置されています。また、鰭付楕円形円筒埴輪が特徴的で、埋葬施設として積石塚状施設が採用されています。

築造時期

この古墳は、古墳時代前期に築造されたと推定されています。一帯の地形や出土品から、大和川水運や石材管理を担った職業集団の首長の墓であると考えられています。

出土品と文化財指定

松岳山古墳からは、硬玉製勾玉、碧玉製管玉、ガラス小玉、鉄鏃片、土師器、埴輪など、多数の副葬品が出土しています。これらは現在、大半が京都大学に保管されています。2008年には、近年の発掘調査で出土した楕円形円筒埴輪が柏原市指定有形文化財に指定されました。

古墳域の歴史と調査

調査の経緯

文化財指定

1922年に後円部が国の史跡に指定され、2008年には出土品が柏原市指定有形文化財に認定されています。

古墳の構造と詳細

墳丘の規模

墳丘の外周には玄武岩板石を用いた積石構造が採用されており、独特の建築技術が用いられています。

埋葬施設

後円部中央には長持形石棺が据えられています。この石棺は、蓋石・底石が黒雲母花崗岩、側石が香川県産の凝灰岩で構成されており、独特の設計が施されています。また、石棺の前後には高さ2メートル以上の立石が立てられており、これらは祭祀や儀式のために使用されたと考えられています。

観光のポイント

国分神社と松岳山古墳

松岳山古墳は、国分神社の境内に位置しており、神社参拝と合わせて見学することができます。古墳の詳細な解説を通じて、古代の建築技術や歴史的背景について学ぶことができます。

柏原市立歴史資料館

出土品の多くは柏原市立歴史資料館で展示されています。歴史資料館では、松岳山古墳に関する展示を通じて、当時の文化や技術について知ることができます。

アクセス情報

松岳山古墳へは、大阪府柏原市内の公共交通機関を利用してアクセスできます。最寄り駅から徒歩圏内であり、気軽に訪れることができます。

まとめ

松岳山古墳は、大阪府柏原市の歴史的な遺産として、重要な価値を持つ古墳です。その規模や出土品の特色から、古墳時代前期の文化や技術を知る貴重な手がかりとなっています。観光を通じて、古代日本の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
松岳山古墳
(まつおかやま こふん)

東大阪

大阪府