カトリック高槻教会は、大阪府高槻市にあるカトリック教会で、キリシタン大名・高山右近ゆかりの場所として知られています。この教会の境内には、バチカン市国の聖クラレチアン宣教会総長から贈呈された高山右近像が設置され、訪れる人々に歴史的な感動をもたらしています。
この教会の聖堂は、高山右近記念聖堂と呼ばれ、フィリピンのマニラ市郊外アンティポロにある聖母大聖堂を模して建設されました。印象的なドーム状の屋根を持ち、訪れる人々に敬虔な雰囲気を感じさせます。高山右近はその生涯をマニラで閉じたため、その地を偲んでこのような設計が施されました。
第二次世界大戦後の1946年、当時の田口芳五郎司教が高山右近顕彰碑と記念聖堂の建立を計画しました。この計画には、郷土の英雄・高山右近を記念することで、戦後の日本国民が希望を持ち、立ち上がる力を得られるようにという祈りが込められていました。
1949年には高山右近顕彰碑が建立され、ローマ法王ピオ12世特使であるオルテノス司教により除幕式が執り行われました。1954年にはクラレチアン宣教会の協力を得て、現在の教会の地に仮聖堂が建てられ、カトリック高槻教会が正式に設立されました。
16年に及ぶ多くの人々の尽力と祈りの末、1961年に高山右近記念聖堂が着工され、1962年3月に完成しました。翌月には献堂式が盛大に行われ、教会としての機能が正式に開始されました。今日に至るまで、この聖堂はその美しい姿を保ち、多くの信者や訪問者に感動を与えています。
カトリック高槻教会の保護者には日本二十六聖人が奉られています。また、聖堂は高山右近の列聖がまだ実現していないため、右近が生涯崇敬していた聖母マリアと日本二十六聖人に奉献されています。
阪急京都線 高槻市駅から徒歩約8分、JR京都線 高槻駅からは徒歩約15分です。訪問の際は公共交通機関が便利です。
カトリック高槻教会は、日本におけるキリスト教史、特に高山右近の足跡を辿る上で重要な場所です。壮麗な聖堂や顕彰碑は、かつてのキリシタン大名の精神を受け継ぎ、多くの人々がその教えと信仰に触れることができる貴重な機会を提供しています。高槻市に訪れる際には、歴史と信仰が交差するこの地をぜひ訪れ、高山右近の精神を感じてみてはいかがでしょうか。