池田市立五月山動物園は、大阪府池田市に位置する五月山公園内の動物園です。1957年(昭和32年)に開園して以来、池田市民をはじめ多くの来園者に愛され続けています。動物園は、オーストラリアとの姉妹都市提携を記念して贈られたワラビーやウォンバットの展示で知られており、日本国内でも数少ないウォンバットの飼育で有名です。
五月山動物園は、五月山の山麓にあり、その広さは約3000平方メートル、敷地面積は約4500平方メートルです。この規模は日本動物園水族館協会に加盟する動物園の中でも非常に小さく、福井県鯖江市の西山動物園に次ぐ2番目の小ささを誇ります。しかしながら、この小さな動物園は地域の児童・幼児に対する自然学習や情操教育の場としても役立っており、地域の憩いの場として親しまれています。
1949年(昭和24年)に五月山公園の整備が始まり、1957年に池田市立五月山動物園が開園しました。開園当初、動物は宮城県金華山から移入されたシカを中心に飼育されていました。その後、1967年には池田市がオーストラリア・タスマニア州ローンセストン市との姉妹都市提携を結び、記念としてアカクビワラビーが寄贈されました。
1990年、池田市とローンセストン市の姉妹都市提携25周年を記念して、ウォンバットが3頭寄贈されました。1992年には日本国内で初めてウォンバットの繁殖に成功し、「サツキ」という名前のウォンバットが誕生しました。この成功は日本動物園水族館協会からも表彰を受け、以降もウォンバットは池田市立五月山動物園のシンボル的存在となりました。
2000年にはウサギ、モルモット、マーラ、エミュー、ニワトリなどが追加され、来園者が動物たちとふれあうことができる「ふれあい広場」が設けられました。さらに、2012年には展示室「アップル(アイ)ランド」が開設され、動物たちとの距離をより近く感じられる施設が充実しています。
開園時間: 午前9時15分から午後4時45分まで
ふれあい広場: 午前11時から12時15分、午後1時45分から2時40分
入園料: 無料(餌やりは約300円)
火曜日が休園日となっており、火曜日が祝日の場合は翌日が休園となります。
動物園へは、阪急宝塚本線の池田駅から徒歩約15分でアクセス可能です。また、池田駅の北口から阪急バスに乗り、「五月山公園・大広寺」で下車し、徒歩約3分の距離に位置しています。
池田市立五月山動物園は、オーストラリア・タスマニア州のローンセストン市との交流をきっかけに、ウォンバットを日本国内で飼育することとなり、以降もウォンバットは池田市民にとって大切なシンボル的存在となっています。2017年には姉妹都市提携50周年を記念し、ローンセストン市からさらに3頭のウォンバットが贈られ、それぞれ「マル」「コウ」「ユキ」と名付けられました。
2021年には、ウォンバットの「ワイン」が32歳を迎え、オーストラリアで最高齢を記録したウォンバットと並びました。その後も「ワイン」は元気に過ごし、2022年には33歳でギネス世界記録に認定されました。こうした長寿記録も五月山動物園の魅力の一つです。
園内には、ウォンバット以外にもアカクビワラビー、アルパカ、エミューなどが飼育されています。また、動物園はウォンバットをはじめとしたオーストラリアの動物たちが間近で見られる貴重な場所です。毎年、これらの動物たちは来園者に癒しを提供し、特に子どもたちにとっては楽しい学びの場として愛されています。
2010年にはイリュージョニストの引田天功氏によってアルパカが寄贈されました。このアルパカたちも五月山動物園の人気者となり、ふれあい広場では来園者が直接触れ合うことができます。2014年には、アルパカのオークンとプリンの間に「ケークン」が生まれましたが、短命に終わってしまいました。
動物園がある五月山公園は、高さ300メートルの五月山の裾に広がる広大な自然公園です。ハイキング、ピクニック、桜や紅葉の名所としても知られ、多くの来園者が訪れます。さらに、五月山体育館、都市緑化植物園、池田城跡公園、プラネタリウムがある児童文化センターなど、さまざまな施設が点在し、レジャー環境に恵まれています。
2024年には、ウォンバットの魅力を広めるために、乃木坂46の与田祐希が「池田市ウォンバット応援大使」に任命されました。こうした取り組みを通じて、五月山動物園はますます多くの人々に愛される場となり続けるでしょう。また、これからも地域の自然学習や情操教育の拠点として、その役割を果たしていくことが期待されています。
このように、池田市立五月山動物園は、地域の自然と触れ合い、珍しい動物たちと近くで接することができる貴重な動物園です。大阪府内や近隣の観光に訪れる際は、ぜひ立ち寄ってみてください。