史跡新池ハニワ工場公園は、大阪府高槻市に位置する歴史的な公園です。この公園は、国の史跡である「今城塚古墳 附 新池埴輪製作遺跡」の一部である新池埴輪製作遺跡を保護するために設立されました。5~6世紀にかけて造られたこの遺跡は、日本の歴史に触れながら古代の埴輪(ハニワ)製作の様子を体感できる貴重な場所です。
新池埴輪製作遺跡は、日本国内最大規模の埴輪製作遺跡であり、18基の埴輪窯や工房、職人の住居群で構成されています。この地は、日本書紀に記された「摂津国三嶋郡植廬(ハニイホ)新羅人之先祖也」と考えられ、当時の文化交流の一端を示しているともいわれています。また、今城塚古墳に安置された埴輪も、この新池埴輪製作遺跡で製作されたものであるとされています。
この遺跡は1988年(昭和63年)から発掘調査が始まり、1994年(平成6年)には「ハニワ工場公園」として整備されました。また、1991年(平成3年)7月20日には、この遺跡が既に指定されていた国の史跡「今城塚古墳」に追加指定され、その史跡名称も「今城塚古墳 附 新池埴輪製作遺跡」と改名されました。
新池埴輪製作遺跡は以下のような変遷を経て発展してきました。
史跡新池ハニワ工場公園内には、埴輪製作の遺構が残され、訪れる人々に古代の製作技術を伝えています。
園内にあるハニワ工場館は、遺跡の18号窯を保護する覆屋で、内部には当時製作された埴輪が展示されています。530年頃に作られたこの窯は、当時の埴輪製作の技術を現在に伝える重要な遺構です。
園内のプロムナードには、動物や円筒、家形、武人埴輪などの複製品が20種類、21体展示されています。これらは本物と同じ寸法で磁器製のもので、焼き物の質感がリアルに再現されており、訪れた人々が自由に触れることができるようになっています。また、漫画家・ヨシトミヤスオ氏による解説パネルが陶板で展示されており、分かりやすくハニワについての知識を深めることができます。
新池埴輪製作遺跡では、当時の工房の様子を再現するため、3棟のうち2棟が復元されています。竪穴建物である工房は、母屋部分が茅葺きで、周縁の下屋部分は杉皮葺きに復元されています。この構造は、古代の職人たちがどのような場所で作業をしていたかを感じることができる貴重な展示です。
新池埴輪製作遺跡には18基の窯が存在しましたが、そのうち大小2基が復元され、さらに1基は発掘中の状態で展示されています。これにより、訪れる人々は窯の構造を間近に見ながら、埴輪製作の工程をより深く理解することができます。
新池埴輪製作遺跡から出土した埴輪の一部は今城塚古代歴史館にて展示されています。これにより、公園を訪れるだけでなく、歴史館でさらに深い知識を得ることが可能です。
開館時間:10時~17時(公園内は終日オープン)
休館日:12月29日~1月3日
入館料:無料
JR京都線摂津富田駅から高槻市営バスに乗車し、「公団阿武山」または「日赤病院」行きに乗り、「上土室」バス停で下車。そこから東へ徒歩約5分でアクセスできます。
史跡新池ハニワ工場公園周辺には、歴史と自然を楽しめるスポットが点在しています。
史跡新池ハニワ工場公園は、日本の古代文化に触れられる貴重な歴史スポットです。訪れることで、古代の埴輪製作の技術や当時の工人たちの生活を感じることができるでしょう。また、周辺にも数多くの古墳や公園があり、歴史散策と自然散策を同時に楽しめる場所です。入館料も無料であり、気軽に訪れることができるのも魅力の一つです。ぜひ、古代の日本に思いを馳せながら訪れてみてはいかがでしょうか。