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阿久刀神社

(あくと じんじゃ)

阿久刀神社は、大阪府高槻市清福寺町に位置する歴史ある神社です。式内社であり、旧社格は村社にあたります。地域の人々から親しまれ、「住吉さん」という愛称で呼ばれることもあります。

祭神

阿久刀神社の祭神は住吉大神(すみよしのおおかみ)です。この住吉大神は、底筒男命(そこつつのおのみこと)中筒男命(なかつつのおのみこと)表筒男命(うわつつのおのみこと)の三柱を総称したものです。また、『特選神名牒』では住吉神、『摂陽群談』では諏訪神とする説、安寧天皇皇后である阿久斗比売を祭神とする説、あるいは久度神とする説もあります。

歴史

創建

阿久刀神社の創建は明確にはわかっていませんが、諸説が存在しています。『神名帳考証』では、『新撰姓氏録』に記載された「調連(つきのむらじ)」が阿久刀神社と関係する可能性が指摘されています。調連は努理使主の後裔であり、努理使主は『古事記』において仁徳天皇の皇后に蚕を献じた「奴理能美」とされています。このことから、阿久刀神社の創建に関しては、養蚕の技術を持った渡来系の阿久太が当地に居住し、氏神として祀られたという説が有力です。

また、『新撰姓氏録』には、摂津国に神饒速日命の後裔である「阿刀連(あとのむらじ)」が記載されており、この阿刀連が阿久刀神社の社名の由来となったとする説も存在します。

「芥川」の名称との関係

さらに、阿久刀神社の北方を流れる「芥川(あくたがわ)」の名前も、この神社の社名に由来するとされています。元は「阿久刀川(あくとがわ)」と呼ばれていたものが、時代を経て「芥川」と変化したといわれています。

概史

平安時代中期の延長5年(927年)に編纂された『延喜式神名帳』には、「摂津国島上郡 阿久刀神社」として記載され、式内社に列しています。その後の歴史については明確な記録が残っていませんが、永禄年間(1558-1570年)に三好氏や松永氏の兵火によって焼失しました。その後、文政11年(1828年)に本殿が再建され、江戸時代には「住吉大明神」と称されていました。

明治5年(1872年)の神社整地の際、近隣の諏訪神社や大将軍社などが境内社として移転されました。また、近代社格制度において村社に列しています。

境内

神木のムクノキ

境内には神木のムクノキが立ち並び、樹高21.5メートル、幹周り3.45メートルの立派な木です。このムクノキは1990年(平成元年)に市の保護樹木に指定されており、訪れる人々に神社の神聖さを感じさせる象徴となっています。

本殿

本殿は、文政11年(1828年)に再建されたもので、阿久刀神社の歴史を伝える貴重な建造物です。

摂末社

阿久刀神社の境内には、以下の摂末社が祀られています。

祭事

阿久刀神社では、地域の信仰に根付いた多くの祭事が行われています。以下に代表的な祭事をご紹介します。

交通アクセス

阿久刀神社へのアクセスは、JR西日本の高槻駅北口から高槻市営バス(関西大学行)に乗り、「郡家本郷」バス停で下車します。バス停から徒歩3分ほどで到着することができます。都心からもアクセスしやすい場所にあるため、歴史的な神社として多くの参拝客が訪れます。

Information

名称
阿久刀神社
(あくと じんじゃ)

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