ヒューモビリティワールドは、大阪府池田市にある自動車メーカー・ダイハツ工業の企業博物館です。この施設は、ダイハツの創立100周年を記念して2007年に開館し、その後2015年にリニューアルオープンされました。「ヒューモビリティ」という言葉は、「human」(人)と「mobility」(モビリティ、移動性)を組み合わせた造語で、ダイハツの人々に寄り添うものづくりの姿勢を象徴しています。
ヒューモビリティワールドは地上4階建ての建物で、延床面積は約2,900平方メートルに及びます。2階から上階が展示スペースとなっており、それぞれのフロアにテーマごとの展示が配置されています。
2階には総合案内所があり、「ダイハツの原点」をテーマに、昭和初期に作られた製品が展示されています。また、時期によっては企画展も開催され、多様な展示内容が楽しめます。
3階では「いつの時代も くらしの真ん中に」をテーマに、戦後から現在に至るまでのダイハツ製品が紹介されています。さらに、「アジアに広がるダイハツのクルマづくり」では、ダイハツの海外展開についても展示されており、グローバルな視点での自動車産業の発展が分かります。
4階では「ミライースのひみつシアター」や「ダイハツ車を支える技術と情熱」といった展示があり、自動車に関する技術や安全性への取り組みが紹介されています。映像や装置を活用した展示は、子どもから大人まで楽しめる内容になっています。
館内には、ダイハツの歴史を感じられる貴重な製品が展示されています。そのいくつかをご紹介します。
1931年に発売された三輪自動車で、ダイハツのものづくりの原点とも言える車です。この車は、ダイハツの歴史的な製品の一つであり、当時の技術革新を示しています。
1950年代に製造された三輪自動車で、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』でも登場したことで広く知られています。
1960年代の「ダイハツ・フェロー」や、1970年代の「ダイハツ・シャレード」、2000年代の「ダイハツ・コペン」など、多くの時代を彩った車両が展示されています。
ヒューモビリティワールドでは、期間限定の企画展も開催されています。以下は過去の主な企画展の一部です。
2017年12月に行われた展示で、ダイハツ車のミニカーが1/5スケールで再現され、精密なディテールが見どころとなりました。
2019年2月に開催され、ダイハツが手掛けたラリーカーが展示されました。スピード感や技術力が詰まった車両が多くの来館者に感銘を与えました。
ヒューモビリティワールドは一般の方も気軽に楽しめる施設です。以下の案内を確認して、訪問時の参考にしてください。
開館日:毎週土曜日
開館時間:午前の部は9時30分から12時まで(最終入館11時)、午後の部は13時から17時まで(最終入館16時)
入場は無料です。団体(10人以上)での見学は事前予約が必要です。
当日申し込みで参加できる日本語のガイドツアーが実施されています。開始時間は10時30分、14時、16時で、各回約45分間のツアーです。
館内にはエレベーターやスロープ、多目的トイレ、授乳室が設置されており、車椅子の貸し出しも対応しています(要事前連絡)。
施設内は禁煙で、飲食や飲酒は禁止されています。展示館内での写真撮影は可能ですが、一般の工場見学は行われていません。
ヒューモビリティワールドへのアクセス方法についてご案内します。
最寄りのバス停は「ダイハツ本社前」で、阪急電鉄・石橋阪大前駅や池田駅から阪急バスが運行しています。また、JR福知山線・北伊丹駅からも近く、直線距離で約1キロメートルです。
最寄りのインターチェンジは中国自動車道の中国池田インターチェンジです。来館者用の駐車場・駐輪場があり、車でのアクセスも便利です。ただし、マイクロバスや観光バスでの来館はできませんのでご注意ください。
ヒューモビリティワールドは、ダイハツ工業の歴史や自動車産業の発展を深く理解できる施設です。大阪府池田市に位置するこの博物館は、入場料が無料でありながら、貴重な展示品や映像、体験型の展示が充実しており、訪れる人々にとって楽しみと学びを提供します。是非、ダイハツの歴史と最新技術に触れる機会として、ヒューモビリティワールドを訪れてみてください。