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三島鴨神社

(みしまかも じんじゃ)

三島鴨神社は、大阪府高槻市に位置する神社で、由緒ある式内社の論社として知られています。旧社格は郷社で、長い歴史と豊かな伝説に彩られた神社です。

歴史と由緒

社伝によると、三島鴨神社は愛媛県の「大山祇神社」、静岡県の「三嶋大社」と共に「三三島」として称され、これが日本最初の三島神社であるとされています。ただし、17世紀以前には「幾島大明神」とも呼ばれていました。

祭神について

現在の祭神は、大山祇神(おおやまづみのかみ)事代主神(ことしろぬしのかみ)の2柱です。

大山祇神は『伊予国風土記』の逸文に記されており、元々は百済から渡来し、津の国(摂津国)の御島(高槻市三島江)に鎮座したと伝えられています。この大山祇神は後に愛媛県の大山祇神社に分祀されたともされますが、三島鴨神社の主祭神とは異なる説もあります。

事代主神は鴨氏の氏神であり、三島溝橛耳の娘・三島溝樴姫(玉櫛媛)と深く関わりがあるとされます。神話によれば、この事代主神が八尋熊鰐に姿を変え、三島溝樴姫と結ばれ、神武天皇の后・媛蹈鞴五十鈴媛命が誕生したと伝えられています。

創建と伝承

社伝では、三島鴨神社の創建は4世紀半ばとされ、元々は淀川の川中島(御島)に祀られていたといいます。仁徳天皇が茨田堤を築いた際、百済からこの地に遷座し淀川鎮守の神として祀られたという伝説が残っています。また、この神社が伊予国や伊豆国に分社され、大山祇神社や三嶋大社が生まれたとされています。

地祇系の鴨氏の進出に伴い、事代主神が合祀され、三島鴨神社としての名前が生まれたとする説もあります。この合祀により、鴨神と三島神が共に祀られるようになり、現在の社名となったと考えられています。

社殿と境内

三島鴨神社は淀川の中州に位置していたものの、慶長3年(1598年)の淀川堤防修築により現在地へと遷座されました。また、元和5年(1619年)には高槻藩主・松平家信からの寄進がありました。境内には本殿や拝殿が設けられ、八幡宮、唐崎神社、厳島神社などの摂末社も祀られています。

伝説と祈願

後白河天皇の中宮建春門院が祈願し、無事に高倉天皇を出産したという伝説も残されています。この縁を機に、京都にも三島神社が勧請されたとされますが、京都の三島神社は伊豆の三嶋大社から勧請されたとの異説もあります。

祭事について

三島鴨神社では、年間を通じて多くの祭事が執り行われています。毎月1日と15日に月次祭が行われるほか、1月の歳旦祭や焚上祭、2月の節分祭、4月の春祭、10月には秋祭など、四季折々の行事が開かれます。また、9月には戦没者追悼平和祈念式、10月には唐崎神社秋祭りも催され、地域の人々に親しまれています。

アクセス

三島鴨神社は、大阪府高槻市三島江2丁目に位置しています。最寄り駅はJR西日本の高槻駅で、南口から高槻市営バスに乗車し、「三島江」バス停で下車すぐの場所にあります。近隣には淀川の河港としても栄えた歌枕の地「三島江」があり、訪れる人々にとって観光の一環として楽しめるスポットです。

Information

名称
三島鴨神社
(みしまかも じんじゃ)

箕面・豊中・高槻

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