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野中寺

(やちゅうじ)

野中寺は、大阪府羽曳野市野々上にある高野山真言宗の寺院です。山号は青龍山で、本尊は薬師如来です。聖徳太子建立三太子の一つとされ、叡福寺(太子町)の「上の太子」、大聖勝軍寺(八尾市)の「下の太子」に対して「中の太子」と呼ばれています。

概要

野中寺は、創建当初から重要な仏教施設として地域に影響を与えてきました。境内にはかつての堂塔の跡が残されており、法隆寺式伽藍配置を示す礎石が確認されています。これにより、飛鳥時代から奈良時代初期にかけて、大規模な伽藍が存在したことがわかります。

歴史

創建と初期の発展

野中寺は、聖徳太子が建立した48寺院の一つと伝えられており、太子の命を受けた蘇我馬子が開基したとされています。しかし、発掘調査の結果、実際の創建は白雉元年(650年)頃であることが明らかになっています。

伽藍の焼失と再興

創建時の堂塔は、南北朝時代の野中寺合戦をはじめとする兵火によって全て焼失しました。その後、寛文元年(1661年)に政賢覚英和上らによって再興されました。江戸時代には律宗の勧学院として繁栄し、多くの堂宇が再建されました。

近代以降

明治時代中期には、高野山真言宗に宗派を転じ、現在に至ります。当寺の西にはかつての鎮守社であった野々上八幡神社が隣接しています。

境内の見どころ

主要な建築物

野中寺の境内には、以下のような建築物や遺構が残されています。

金銅弥勒菩薩半跏像

野中寺の宝物の中でも特に重要なのが金銅弥勒菩薩半跏像(重要文化財)です。この像は1918年に寺内の蔵から発見されました。像高18.5cmで、飛鳥時代から奈良時代の特徴を持つ精巧な作りが特徴です。台座の銘文から、この像が西暦666年に制作されたことが分かります。

文化財

重要文化財

国指定史跡

境内の「野中寺旧伽藍跡」は、1944年に国の史跡に指定されています。

大阪府指定有形文化財

食堂や僧坊など、計4棟が大阪府指定有形文化財として登録されています。

アクセス情報

野中寺へは以下の交通手段を利用できます。

まとめ

野中寺は、飛鳥時代の文化や歴史に触れられる貴重な場所です。その伽藍跡や金銅弥勒菩薩半跏像は、古代日本の仏教文化の深さを感じさせます。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

Information

名称
野中寺
(やちゅうじ)

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