立地と構造
お亀石古墳は、羽曳野丘陵から南東に突き出た尾根上に築かれており、周辺は丘陵地の特徴的な地形が見られます。 墳丘の東側と南側には平坦な面が形成され、葺石や貼石などの外部施設は確認されていません。
横口式石槨
古墳の主体部には南側に開口する横口式石槨が設けられています。石槨は布積みの切石で作られており、正面には家形石棺が置かれています。 石棺には6つの縄掛突起があり、これが古墳の「お亀石」という名称の由来です。石材には二上山産の白色凝灰岩が使用されており、 羨道には花崗岩が用いられています。
発掘調査
2002年の発掘調査で、羨道が河原石を用いた閉塞石で閉じられていたことが判明しました。また、墳丘の周囲からは瓦片や須恵器片が出土しており、 古墳の築造時期や被葬者の情報を考察する手がかりとなっています。
石棺と飛鳥時代の瓦
石棺の周囲には飛鳥時代の平瓦が擁壁状に積まれており、南東に位置する新堂廃寺の屋瓦と共通性が見られます。 これは被葬者が新堂廃寺と深い関係にあったことを示唆しており、当時の宗教や文化的背景を知る上で重要です。
文化財としての価値
お亀石古墳は、2002年(平成14年)に「新堂廃寺跡 附オガンジ池瓦窯跡 お亀石古墳」として国の史跡に指定されました。 横口式石槨という独特な構造や、古代寺院とのつながりを示す遺構が評価されています。
関連する文化財
近隣には新堂廃寺跡やオガンジ池瓦窯跡といった文化財もあり、これらが一体となって歴史的な価値を持っています。 地域全体が古代の文化や宗教活動を考察する重要なエリアといえます。
交通アクセス
お亀石古墳へのアクセスは以下の通りです:
- 最寄り駅:近鉄長野線 富田林駅
- 徒歩:駅から徒歩15分
周辺の見どころ
お亀石古墳の周辺には以下のような観光スポットがあります:
- 新堂廃寺跡:古代寺院跡として有名。
- オガンジ池瓦窯跡:古代瓦の製造地。
- 富田林寺内町:歴史的な街並みを楽しめるエリア。
まとめ
お亀石古墳は、方墳の中でも珍しい横口式石槨を持つ古墳であり、7世紀の文化や宗教を知る貴重な手がかりを提供します。 周辺には他の文化財や観光地も点在しているため、歴史好きの方には特におすすめのスポットです。 ぜひ訪れて、その歴史的な魅力を体感してください。