祭神
天神社の主祭神として以下の神々が祀られています。
- 天照皇大神
- 伊弉諾命
- 伊弉冉命
歴史
天神社の創建時期は明らかではありませんが、1345年(興国6年)の棟札が発見されており、それ以前に創建されたと考えられています。現在の本殿は、江戸時代初期の慶長・元和年間に建て直されたもので、一部に中世の古材が使用されています。
本殿は三間社流造で、梁間2間の構造を持ち、極彩色が施されています。もともとは檜皮葺でしたが、現在は銅板葺となっています。正面中央には軒唐破風が飾られ、千木・勝男木が本棟に置かれています。また、本殿の前面にある蟇股(かえるまた)は南北朝時代の様式を示しており、このことから本殿の造立がさらに古い時期に遡る可能性が考えられます。
文化財
天神社には河内長野市指定の文化財が複数存在しています。
- 天神社本殿(江戸時代初期の建立) - 昭和51年3月30日指定
- 鉄製湯釜(室町時代の作) - 昭和51年3月30日指定
- 木製灯籠(江戸から明治期の作) - 平成8年3月26日指定
見どころ
滝畑ダムの周辺を通る大阪府道・和歌山県道61号堺かつらぎ線沿いには、「大梵天王社」と記された鳥居があります。この鳥居をくぐると急な石段が続く参道があり、その先の小山の上に拝殿と本殿があります。小山は木々が鬱蒼と茂り、神体山として崇められています。
また、本殿や拝殿の両側にある木製灯籠は江戸時代末期から明治初期に製作されたもので、細やかな職人技が感じられる貴重な文化財です。さらに1460年(長禄4年)の陽鋳銘が記された鉄製湯釜は、室町時代に作られた非常に古いもので、歴史的価値が高い一品です。
交通アクセス
- 南海高野線「河内長野駅」よりバスに乗り換え、「滝畑ダム」バス停で下車後、徒歩約10分。
- 「河内長野駅」から南海バス高向線に乗車し、「滝畑ふるさと文化財の森センター」バス停で下車後、徒歩約15分(南へ約1km)。
おわりに
天神社は、豊かな自然の中に佇む歴史ある神社で、訪れる人々に日本の伝統と文化の深さを伝えてくれます。文化財や美しい建築を楽しむだけでなく、心静かなひとときを過ごすのに最適な場所です。河内長野市を訪れた際には、ぜひ天神社を参拝してみてください。