布忍神社は、大阪府松原市北新町に位置する、歴史と文化に彩られた神社です。旧社格は村社であり、その創建は神話や伝承に彩られた非常に興味深いものです。
布忍神社の主祭神は以下の通りです。
速須佐男之尊は、天美にある阿麻美許曽神社から白布を敷いて招かれたことが由来とされます。また、「布忍」という名前は、日本書紀に登場する布忍入姫命(ぬのしいりびめのみこと)が由来とも言われています。布忍入姫命は、日本武尊の娘であり、神社周辺には彼女の父や兄にまつわる古墳が点在しています。
布忍神社の創建年代は不詳ですが、さまざまな縁起や社記によると、弘仁5年(814年)には嵯峨天皇の勅願により空海が布忍寺を再建し、その鎮守社として布忍神社が祀られました。明治時代の神仏分離により布忍寺は廃寺となり、神社として独立しました。
布忍神社はかつて布忍寺の鎮守社として信仰を集めました。布忍寺は「永興寺」とも称され、その名は草創者・永興律師の功績に由来するとされています。
布忍神社の本殿は江戸時代前期に再建され、大阪府指定有形文化財に指定されています。一間社流造で、修復の際には創建当時の様式が忠実に復元されました。蛙股には神仏習合の名残として薬師如来を表す梵字が彫刻され、貴重な文化的価値を持っています。
本殿には伝狩野探幽筆とされる唐獅子の壁画があり、建造物と絵画の融合例としても注目されています。
布忍神社の本殿は、大阪府指定の有形文化財として保存されています。また、寛文3年(1663年)の銘が記された木片も附属しています。
江戸時代中期に制作された「布忍八景扁額」も文化財に指定されています。
布忍神社は、近鉄南大阪線の布忍駅から徒歩5分という好立地にあります。駅から西へ向かうとすぐに到着できるため、観光客にも便利です。
大阪府松原市北新町2丁目4-11
布忍神社は、歴史的・文化的価値が非常に高い神社であり、主祭神やその由来に触れることで、古代からの日本文化の豊かさを実感できます。また、アクセスの良さも観光におすすめのポイントです。ぜひ一度足を運び、その魅力を体感してみてください。