歴史
烏帽子形八幡神社の歴史は、烏帽子形山にあった楠木七城(河内七城)のひとつである烏帽子形城と密接に関わっています。伝承によると、楠小二郎がこの城に入城した際、城の鎮護として社を創建したのがこの神社の始まりとされています。
その後、天台宗の高福寺が神宮寺として創建されましたが、時代の流れとともに荒廃しました。文明12年(1480年)には河内源氏の末裔とされる石川八郎左衛門尉が新たに社殿を建立しました。この事実は、1965年(昭和40年)の解体修理の際に発見された棟札や棟束の墨書により確認されています。
また、室町時代末期にも一度修理が行われた後、元和3年(1617年)には楠木一族の後裔とされる甲斐庄正房が、大阪四天王寺の普請奉行を務めた際の余材を用いて改修を行いました。この改修は元和8年(1622年)に竣工しています。
祭神
烏帽子形八幡神社では、以下の祭神をお祀りしています。
- 素盞鳴命(すさのおのみこと)
- 足仲彦命(たらしなかつひこのみこと)
- 神功皇后(じんぐうこうごう)
- 応神天皇(おうじんてんのう)
境内と建造物
烏帽子形八幡神社の境内には、重要文化財に指定されている本殿をはじめ、多くの見どころがあります。
本殿(重要文化財)
本殿は文明12年(1480年)に再建された入母屋造檜皮葺の建物です。桁行三間、梁間二間の構造で、身舎柱は円柱、木部は朱塗りが施されています。正面には五段の木階を設け、擬宝珠付き高欄が周囲を飾っています。この本殿は1965年(昭和40年)に解体修理が行われ、建築当初の姿に復元されました。
その他の建造物
- 中門
- 拝殿(割拝殿)
- 白山社
- 平野社
- 烏帽子形稲荷社
- 社務所
- 恵比須社
文化財
重要文化財
本殿(附:棟札1枚)は、1940年(昭和15年)に国宝(現行法では重要文化財に相当)として指定されました。その後、1950年(昭和25年)に文化財保護法に基づき、国の重要文化財として改めて指定されています。
国指定史跡
烏帽子形城跡が国指定の史跡として認められています。
河内長野市指定有形文化財
木製三日市宿高札2枚が河内長野市の有形文化財に指定されています。
祭事
烏帽子形八幡神社では、以下の祭事が行われています。
- 秋季大祭(10月第2土曜日・日曜日)
- 恵比寿祭(1月6日・7日)
- 湯立神事(12月第2日曜日)
交通アクセス
烏帽子形八幡神社へのアクセスは以下の通りです。
- 南海高野線・近鉄長野線「河内長野駅」から南へ徒歩15分
- 南海高野線「三日市町駅」から北へ徒歩15分
烏帽子形八幡神社は、歴史的な価値と地域の文化を象徴する重要な場所です。訪れることで、地域の歴史や伝統に触れることができるでしょう。