誉田八幡宮は、大阪府羽曳野市誉田に鎮座する由緒ある神社です。旧社格は府社であり、誉田御廟山古墳(応神天皇陵)の南側に隣接しています。その長い歴史と文化財、独特の祭事が多くの参拝者を引きつけています。
社伝によれば、欽明天皇20年(559年)に任那の復興を目指した欽明天皇が応神天皇陵前に神廟を設置したことが起源とされています。この地は応神天皇が幼少期を過ごした場所であり、皇后の仲津姫がこの地を治める誉田真若王の娘であったことから、天皇にとって特別な縁のある地とされています。
奈良時代には行基によって神宮寺である長野山護国寺が境内に創建されました。平安時代の永承6年(1051年)には、現在地に遷座され、後冷泉天皇の行幸も行われました。
八幡神が源氏の氏神とされたことから、源頼朝や足利義教をはじめとする武家の信仰を集め、多くの寄進を受けました。しかし、河内守護・畠山氏の内紛により荒廃し、その後は織田信長による社領没収、豊臣秀吉による再建、豊臣秀頼による本殿再建など波乱の歴史を経ています。
旧長野山護国寺の南大門が現存し、歴史を物語る重要な建築物です。
慶長11年(1606年)、豊臣秀頼が片桐且元を普請奉行として再建した本殿、中門、拝殿は、壮麗な江戸時代の建築を今に伝えています。
祭神として素盞鳴尊を祀る式内社であり、1907年に現在の場所に遷座されました。延喜式神名帳にも記載されている由緒正しい神社です。
羽曳野市指定有形文化財である放生橋は、17世紀後半から18世紀前半頃に建造され、往時の参拝路として機能していました。
誉田八幡宮には、国宝や重要文化財が多数保存されています。特に、鎌倉時代の「塵地螺鈿金銅装神輿」や室町時代の「絹本著色誉田宗廟縁起」は貴重な文化財として知られています。
正月三が日に無料で授与される神酒は地元産の赤ワインで、「日の丸神酒」と呼ばれています。このユニークな神酒は、白い盃とのコントラストが美しいと評判です。
近鉄南大阪線の古市駅から徒歩約10分と、アクセスも便利です。
誉田八幡宮は、長い歴史を背景に、多くの文化財や特徴的な祭事を誇る神社です。地元の人々のみならず、多くの観光客や歴史愛好家が訪れる名所として親しまれています。