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流谷 八幡神社

(ながれたに はちまん じんじゃ)

八幡神社は、大阪府河内長野市天見に位置する歴史ある神社です。旧社格は村社であり、石清水八幡宮の別宮として知られています。地域では「流谷八幡神社」という通称でも親しまれています。

祭神

八幡神社の祭神は、以下の三柱です。

八幡神社の歴史

神社の所在地には、かつて「甲斐荘(かいのしょう)」という石清水八幡宮の荘園が存在していました。甲斐荘は、宇多天皇の皇子である敦実親王が康保3年(966年)以前に石清水八幡宮へ寄進した親王領の一部であったと伝えられています。

長暦3年(1039年)、石清水八幡宮から八幡神が勧請され、甲斐荘の流谷に社殿が造営されたことが八幡神社の創建の起源とされています。

中世の修理と湯釜の由来

鎌倉時代には社殿の修理が行われ、延元5年(1340年)には、僧侶の賢覚が住民の寄付を募り鉄製の湯釜を造らせました。この湯釜は、現在確認されている日本最古級のものであり、大阪府の有形文化財に指定されています。現在、湯釜は大阪市立美術館に収蔵されています。

八幡神社の文化財と見どころ

天然記念物の大イチョウ

境内には樹齢400年を超えるとされる大イチョウの木があり、1989年(平成元年)に大阪府から天然記念物に指定されました。秋になると美しい黄金色の葉を広げ、訪れる人々を魅了します。

無形民俗文化財「縄掛神事」

石清水八幡宮から八幡神が勧請された際の古例祭として、縄掛神事が毎年1月6日(またはその前後の土日)に行われます。この神事では、長さ60メートルの注連縄が作られ、境内にある勧請杉と対岸の柿の木の間に掛けられます。この行為は、疫病や穢れが地域に入り込まないよう結界を張る意味を持ちます。また、注連縄が長く保たれるほどその年が豊作になると言われています。

府指定有形文化財「鉄製湯釜」

この湯釜は探湯祭(湯立神事)の際に利用されており、1340年に製作されたものです。湯釜には賢覚が住民の寄付を募って作らせた旨が記されており、その歴史的価値が高く評価されています。

主な祭事

アクセス情報

所在地

大阪府河内長野市天見2211

交通手段

最寄駅は南海高野線の天見駅です。駅から徒歩約15分で神社に到着します。周囲は豊かな自然に囲まれており、参道を歩く際にはその静けさと美しさを楽しむことができます。

おわりに

八幡神社は、長い歴史と貴重な文化財を有する神社でありながら、地元の人々によって守られ続けています。特に縄掛神事や探湯祭といった伝統行事は、訪れる人々に日本の神社文化の奥深さを感じさせます。歴史や自然を楽しみたい方にはぜひ一度訪れていただきたい神社です。

Information

名称
流谷 八幡神社
(ながれたに はちまん じんじゃ)

富田林・河内長野

大阪府