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狭山池

(さやまいけ)

狭山池は、大阪府大阪狭山市に位置する、日本最古のダム式ため池(人工池)として知られています。その歴史的価値から国の史跡に指定されています。この池は、狭山池土地改良区によって維持管理されており、大阪府や大阪狭山市による河川施設・公園としても運営されています。

地理的背景

狭山池がある河内国西部の丘陵地帯は、水量に乏しい地域で、古くから灌漑に苦労していました。そのため、狭山池のようなため池が数多く築造されました。現在でも、池の周囲には大小のため池が点在しています。

歴史的な築造と改修

狭山池は飛鳥時代前期に、朝廷の命により築造されたとされますが、正確な築造年は明らかではありません。記録によると、4世紀から7世紀の間に複数回の改修が行われたことがわかっています。また、『古事記』や『日本書紀』にもその名が記されており、歴史的な重要性が高い池です。

1704年の大和川の付け替え以前は、現在の大阪市域を含む80か村の農地を灌漑していました。その後も幾度となく改修が重ねられ、20世紀末には洪水調整機能を備えた大改修が行われ、周囲は公園として整備されました。

狭山池博物館と文化財

池の北側には、2001年に開館した大阪府立狭山池博物館があります。この博物館では、改修工事で切り出された堤体の実物が展示されており、堤体の断面構造を間近で観察できます。また、重要文化財として指定されている「大阪府狭山池出土木樋」や「重源狭山池改修碑」などの貴重な資料が保管・展示されています。

改修の主な歴史

狭山池は歴史を通じて多くの改修を受けてきました。例えば、天平時代には行基による改修が行われ、慶長時代には豊臣秀頼の命を受けた大改修が実施されました。さらに、1986年から2002年にかけて実施された平成の大改修では、堤体の詳細な調査が行われ、過去の技術や自然災害の痕跡が明らかにされました。

狭山池公園の魅力

狭山池の周辺は、現在「狭山池公園」として整備され、散歩やウォーキングを楽しむ人々で賑わっています。公園内には全長約2,850メートルの周遊路が設けられており、美しい景観は「ビュースポットおおさか」にも選定されています。

さらに、池や博物館周辺には約1,300本の桜が植えられており、3月下旬には「大阪で最も開花が早い桜の名所」として多くの観光客が訪れます。特にコシノヒガンという品種の桜が早咲きで知られています。

地域交流拠点「さやりんBase」

2023年に開所した「さやりんBase」は、狭山池公園の北端に位置する案内所であり、地域交流の拠点としても活用されています。

接続する河川

狭山池に流入する主要な河川は、西除川と三津屋川で、流出する河川は西除川と東除川です。これらの河川は最終的に大和川に合流します。

狭山池の重要性

狭山池は灌漑や洪水調整機能だけでなく、その歴史や文化的価値からも重要視されています。観光スポットとしても注目されており、季節を問わず訪れる人々に安らぎと学びを提供する場となっています。

Information

名称
狭山池
(さやまいけ)

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