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弘川寺

(ひろかわでら)

弘川寺は、大阪府南河内郡河南町弘川にある真言宗醍醐派の準別格本山の寺院です。山号は竜池山、本尊は薬師如来で、大阪府指定記念物(史跡)や大阪みどりの百選に選定されています。特に、西行法師終焉の地として広く知られ、多くの観光客や歴史愛好家が訪れます。

歴史

弘川寺の創建は天智天皇4年(665年)に遡り、役小角(えんのおづぬ)によって建立されたと伝えられています。その後、天武天皇5年(676年)には祈雨法が行われ、天武天皇から山寺号を与えられました。平安時代には弘仁3年(812年)に空海によって再興され、文治4年(1188年)には空寂(くうじゃく)が後鳥羽天皇の病気平癒を祈願したことで、天皇から寺号の勅額を賜り、奥の院として善成寺が建立されました。

また、文治5年(1189年)には西行法師がこの寺を訪れ、この地でその生涯を閉じました。西行は「願はくは花のしたにて春死なむ そのきさらぎの望月のころ」と詠み、桜の季節に亡くなったことでも有名です。その後、嶽山城の戦いで伽藍が焼失するなどの困難を経ながらも復興し、江戸時代には歌僧似雲によって西行堂が建立されました。

見所

弘川寺は歴史的な建造物だけでなく、自然や文化財も多くの見所があります。

桜の名所

寺の周辺は桜の名所としても知られており、春には多くの花見客が訪れます。葛城山の麓に位置し、自然豊かな環境が魅力です。

西行記念館

境内にある「西行記念館」では、西行に関する直筆の掛け軸や絵画、書、資料などが展示されています。西行法師の生涯や作品に触れることができる貴重な施設です。

海棠(かいどう)

弘川寺の境内には樹齢350年を超える海棠(バラ科の一種)があり、大阪府指定天然記念物に指定されています。春には美しい花を咲かせ、訪れる人々を魅了します。

建築と文化財

弘川寺の境内には数多くの建築物や文化財があります。

重要美術品として、正親町天皇宸翰古歌御懐紙があり、大阪府指定有形文化財には木造空寂上人坐像や木造弘法大師坐像、木造扁額が含まれます。また、弘川寺境内そのものが大阪府指定史跡となっています。

アクセス

弘川寺へは近鉄長野線富田林駅から4市町村コミュニティバスを利用し、「河内(弘川寺)」行で終点下車、そこから約200mです。公共交通機関を利用して気軽に訪れることができます。

Information

名称
弘川寺
(ひろかわでら)

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