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近つ飛鳥博物館

(ちかつ あすか はくぶつかん)

大阪府立近つ飛鳥博物館は、大阪府南河内郡河南町に位置し、大阪府立近つ飛鳥風土記の丘内にある人文科学系の博物館です。1994年に開館し、大阪府立近つ飛鳥風土記の丘の中核的文化施設として、多くの来館者を迎えています。この地域一帯が「遺跡博物館」とも呼ばれ、陵墓や古墳が数多く存在する「近つ飛鳥」の文化と歴史を象徴する存在です。

施設の設計と特徴

この博物館の建物は、世界的に著名な建築家、安藤忠雄氏によって設計されました。階段状の構造と「黄泉の塔」が特徴的であり、安藤氏自身が代表作と認める作品の一つです。その設計は「近つ飛鳥風土記の丘」全体を一望できるように工夫されており、展示室は前方後円墳の形を模しています。また、第26回日本芸術大賞をはじめとする数々の賞を受賞しています。

展示のテーマと構成

近つ飛鳥博物館の展示は、「日本古代国家の形成過程と国際交流を探る」というテーマに基づいて構成されています。展示エリアは以下の3つのゾーンに分かれています。

ZONE1: 近つ飛鳥と国際交流

このゾーンでは、古墳時代から飛鳥時代(4世紀から7世紀)にかけての国際交流の様子が紹介されています。特に、一須賀古墳群から出土した剣や刀、金具、耳飾り、指輪など、多くの遺物が展示されており、当時の日本列島が中国大陸や朝鮮半島とどのような形で関わり、文化を受け入れたかを学べます。

ZONE2: 古代国家の源流

仁徳天皇陵古墳をはじめとする古墳の造営を通じて、日本古代律令国家の胎動がどのように始まったかを解説するゾーンです。前方後円墳の再現模型や実物大で復元された石室を通じて、古墳時代の技術や文化の進化を詳しく知ることができます。

ZONE3: 現代科学と文化遺産

このゾーンでは、1978年に発掘された修羅や水中遺跡の調査技術、地中レーダー探査など、現代科学が文化遺産の発掘や保存に果たしている役割を紹介しています。また、定期的に学芸員による解説付き見学会も実施されており、野外文化財との連携を深める取り組みも行われています。

現代科学と文化遺産ゾーン

1978年に古市古墳群から出土した修羅やテコ棒をはじめ、水中遺跡調査や地中レーダー探査など、文化遺産発掘に使用される最新技術を紹介しています。

見どころと展示内容

以下は、博物館内で特に注目される展示内容です。

A. 近つ飛鳥への招待

古墳時代の始まりの頃、王がどのように埋葬されていたのかを示す展示です。三角縁神獣鏡や豊富な副葬品が並ぶ展示では、王権とその支配関係を垣間見ることができます。

B. 倭の五王と渡来文化

5世紀に中国へ使いを送った「倭の五王」の時代背景と、当時日本にもたらされた技術や文化の交流の様子を、多くの遺物を通じて紹介します。

C. 聖徳太子の時代

飛鳥時代を象徴する聖徳太子の活躍や、彼が葬られた石室を原寸大で復元した展示です。文楽人形を用いた映像資料も交えながら、激動の時代をわかりやすく解説しています。

主な所蔵品と文化財

博物館には、以下のような重要な文化財や資料が所蔵されています。

施設概要

博物館は常設展示室のほか、特別展示室、ホール(250人収容)、図書コーナーや喫茶コーナーなども備えています。特に常設展示室では、3つのゾーンに分かれた展示が行われており、日本の古代文化に関する深い理解が得られます。

利用情報

交通アクセス

近鉄長野線の富田林駅または喜志駅から、4市町村コミバス・石川線(富田林駅発)または阪南線(喜志駅発)に乗車し、「近つ飛鳥博物館前」バス停で下車。バス停からは徒歩すぐです。

まとめ

大阪府立近つ飛鳥博物館は、古代日本の歴史と文化を深く知ることができる貴重な施設です。その充実した展示内容や、安藤忠雄氏による美しい建築デザインは、訪れる人々に感動と学びを提供します。ぜひ、歴史好きな方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
近つ飛鳥博物館
(ちかつ あすか はくぶつかん)

富田林・河内長野

大阪府