歴史
創建と開基
法楽寺は治承2年(1178年)に平家の棟梁・平清盛公の嫡子である平重盛公によって創建されました。
平重盛公は、保元・平治の乱で戦死した人々の霊を敵味方なく慰霊するため、
また、源為朝公の念持仏である如意輪観音菩薩を安置するためにこの寺を建立しました。
山号「紫金山」の由来
山号「紫金山」は、平重盛公が宋の禅師・育王山仏照に黄金3000両を献上し結縁を求めたことに由来します。
禅師仏照は重盛公の仏法への志を評価し、育王山伝来の紫金の仏舎利二顆を贈ったという伝承があります。
織田信長の兵火と復興
元亀2年(1571年)、織田信長の侵攻により伽藍が焼失しました。
その後、江戸時代初期に一部復興が進められ、正徳元年(1711年)には本格的な復興が行われました。
お堂は大和松山藩織田家の殿舎を移築したものが現存しています。
境内の見どころ
本堂
本堂には、不動明王、釈迦如来、如意輪観世音菩薩、十一面観世音菩薩、地蔵菩薩、歓喜天が祀られています。
三重塔
平成8年(1996年)に「平成の三重宝塔」として建立されました。
本尊は金剛界大日如来像で、脇侍として不動明王立像と愛染明王坐像が安置されています。
塔の総高は約23メートルに及びます。
小坂奇石記念館
日本芸術院恩賜賞を受賞した書家、小坂奇石の作品を収蔵する記念館です。
「奇石体」と呼ばれる独自の書風を確立した彼の遺作約400点が展示されています。
また、仏教美術品も多数収蔵されています。
その他の見どころ
- 大師堂 - 弘法大師と真言八祖絵像を祀る
- 観音堂 - 四国八十八箇所霊場の本尊石碑がある
- 水掛不動尊 - 参詣者が水を掛けて祈願する場
- 鐘楼 - 境内の鐘が設置されている
文化財
重要文化財
絹本著色不動明王二童子像は、鎌倉時代初期に制作されたとされ、大阪市立美術館に寄託されています。
大阪府指定有形文化財
銅造蔵王権現立像(平安時代作)は、1982年に大阪府の有形文化財に指定されました。
天然記念物
法楽寺のクスノキは樹齢800年と伝えられ、幹周8.0メートル、樹高26.0メートルの巨木です。1981年に天然記念物に指定されました。
年中行事
- 1月1日~3日: 初詣(歳旦吉祥護摩供)
- 1月28日: たなべ不動尊大祭
- 2月1日~7日: 節分(厄除星祭)
- 3月: 春期彼岸会
- 8月15日: 盂蘭盆会
- 12月31日: 除夜の鐘
月例行事
- 弘法大師縁日(毎月21日): 写経・勤行・法話
- たなべ不動尊縁日(毎月28日): 不動尊護摩供
- くすのき文庫: 毎週土曜日に子供のための図書館が開かれます。
霊場と札所
- 近畿三十六不動尊霊場:3番札所
- おおさか十三仏霊場:1番札所
- 摂津国八十八箇所:40番札所
- 神仏霊場巡拝の道:47番札所
交通アクセス
所在地: 大阪府大阪市東住吉区山坂1丁目18-30
阪和線「南田辺駅」および谷町線「田辺駅」から徒歩すぐ。