歴史
難波神社の創建は反正天皇の時代にさかのぼり、当初は大阪府松原市に鎮座していたと伝えられます。その後、天慶6年(943年)に天王寺区上本町へ遷座し、さらに豊臣秀吉の命により慶長2年(1597年)に現在の場所に移されました。戦国の世を経て、江戸幕府の治世に入ると境内の9割が没収されました。
明治時代には府社に列せられ、1945年の大阪大空襲によって社殿は焼失しましたが、1974年(昭和49年)に再建され現在の姿となりました。
祭神
主祭神には仁徳天皇が祀られ、配祀として素盞嗚尊(すさのおのみこと)をお祀りしています。仁徳天皇は、反正天皇が父帝をお祀りするために難波神社を創建したと伝えられており、その歴史は深く大阪の人々にとっても重要な意味を持ちます。
境内施設
本殿・拝殿
現在の本殿および拝殿は1974年に再建されたものです。戦後の復興のシンボルとして、大阪の歴史とともに今も佇んでいます。
博労稲荷神社
境内の西側に位置する博労稲荷神社は、商売繁盛の神様である倉稲魂尊(うかのみたまのみこと)をお祀りしています。江戸時代から船場の商人たちに厚く信仰され、難波神社全体が「稲荷社」として親しまれていました。
金刀比羅神社
境内の西門横に位置する末社で、大物主神をお祀りしています。もともとは堀江にあったお旅所の一部で、江戸時代に祀られたものと伝えられています。
十四柱相殿神社
境内の東南隅に位置し、豊臣秀吉や徳川家康などの歴史的人物や神々をお祀りしています。もともと数社に分かれていましたが、1888年に合祀されて現在の形となりました。
御神木
境内には樹齢約400年の楠があり、大阪市指定の保存樹第1号に指定されています。この楠は難波神社の長い歴史とともに生き続け、参拝者に安らぎを与えています。
主な祭礼行事
節分祭・玉の緒祭(2月)
毎年2月に行われる節分祭では、豆まきや玉の緒祭といった厄払いの行事が催され、多くの参拝者が訪れます。
菖蒲神事(6月8日)
難波神社の特色ある祭礼で、境内で育てた花菖蒲を奉納する神事です。巫女による「菖蒲刈り」の舞が見どころです。
夏祭・氷室祭(7月20・21日)
夏の暑さをしのぐための氷室祭が行われ、厳しい暑さを乗り切る力を祈願します。
例祭・秋祭(10月20日)
神社の年間行事の中心となる例祭で、秋の実りに感謝を捧げます。
火焚祭(11月)
秋の終わりに火焚祭が行われ、神聖な火で心身の浄化が祈願されます。
湯立神楽(毎月1日・2月節分)
湯立神楽は神聖な湯を使った神楽で、厄災を払い幸運を招くとされています。