公園の歴史
名称の由来と変遷
「桃ヶ池」の名称には興味深い歴史があります。古くからこの池は「百ヶ池」や「脛ヶ池」、「股ヶ池」など、様々な名前で呼ばれていました。これらの名称は、池の形や地理的特徴に由来すると言われています。
昭和8年、市が公園として整備する際に、読みやすい「桃ヶ池」の表記が採用され、現在の名称として定着しました。なお、園内には「股ヶ池明神」が残り、昔の名称の名残を伝えています。
農業と漁業の歴史
明治から大正時代にかけて、この地域は農村地帯であり、桃ヶ池は灌漑用水として利用されていました。また、池では鯉や鮒の養殖が行われ、ウナギやナマズが地域の特産品として知られていました。
1933年10月25日、公園として正式に開園した桃ヶ池公園は、日本初の都市計画に基づく公園整備の成功例として評価されています。
股ヶ池明神と伝説
桃ヶ池には、聖徳太子による大蛇退治という伝説が伝わっています。退治された大蛇の霊を慰めるため、「おろち塚」が設けられましたが、昭和初期までその跡が残っていたと言われています。
公園内にある「股ヶ池明神」は、天明年間に建立され、大蛇の霊を祀るために作られた神社です。この神社には、不動明王や地蔵菩薩の像が祀られ、地域住民により維持管理されています。かつては、境内で滝行も行われていたと伝えられています。
田辺古墳群と遺跡
桃ヶ池公園周辺は、古くから人々が生活していた地域であり、弥生時代の遺跡が発掘されています。阪和線の高架工事や近隣のマンション工事の際にも、貴重な遺物が見つかりました。
さらに、この地域には「田辺古墳群」が存在し、山阪神社も古墳の一部であることが判明しています。こうした歴史的背景から、桃ヶ池周辺は長い歴史を持つ土地であることが伺えます。
交通アクセス
桃ヶ池公園へのアクセスは便利で、複数の駅から徒歩圏内にあります。
- JR阪和線「南田辺駅」から北へ約500m
- 地下鉄御堂筋線「昭和町駅」から東へ約500m
- 地下鉄谷町線「田辺駅」から西へ約400m
- 近鉄南大阪線「北田辺駅」から西へ約700m
メディアとの関わり
桃ヶ池公園は、NHK大阪制作の連続テレビ小説『てっぱん』のロケ地としても使用され、劇中で印象的なシーンが登場しました。こうしたメディアでの露出もあり、公園はさらに多くの人々に知られるようになりました。
まとめ
桃ヶ池公園は、その美しい自然環境と歴史的背景、そして便利な交通アクセスから、多くの人々に親しまれています。季節ごとに変わる風景や、歴史的な神社・古墳の存在も魅力的です。
都市部にありながら、豊かな自然と歴史に触れることができる桃ヶ池公園は、地域の人々だけでなく、観光客にとっても魅力的な場所と言えるでしょう。ぜひ一度訪れ、古の物語に思いを馳せながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。