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大阪倶楽部

(おおさか くらぶ)

大阪財界の社交場として歴史を刻む建築

大阪府大阪市中央区今橋に位置する大阪倶楽部は、1924年(大正13年)に竣工した歴史的建造物です。設立以来、会員制の社交倶楽部である一般社団法人大阪倶楽部の会館として使用され続けており、その優美な建築様式と歴史的価値から、大阪を代表する近代建築の一つとして広く知られています。

財界人の社交場

大阪倶楽部は、大阪市中央区の中心部に位置し、周囲にはオフィスビルが立ち並ぶ一角にあります。大阪の経済界をリードする人々が集う社交場として、長年にわたり重要な役割を果たしてきました。建物は重厚な外観と精緻な内装が特徴で、ビジネスや文化交流の場として、また室内楽演奏会や会議、パーティーなどのイベント会場としても利用されています。

大阪倶楽部の沿革

創設と再建

大阪倶楽部は1914年(大正3年)、英国の城館風に設計された旧館として誕生しました。当時の設計は、住友家の主唱者であった鈴木馬左也が総理事を務めたことから、住友本社営繕課が担当し、建築家の野口孫市と長谷部鋭吉が設計しました。しかし、1922年(大正11年)に火災で焼失してしまい、その後1924年(大正13年)に再建されました。

戦時下の変遷

1945年(昭和20年)、大阪倶楽部は第二次世界大戦中に帝国海軍に徴用され、戦後は占領軍に接収されました。その後、1952年(昭和27年)に返還され、再び社交倶楽部としての活動を再開しています。

建築家・安井武雄による新館の設計

現在の大阪倶楽部の建物は、建築家・安井武雄によって設計されました。安井は東京の日本橋野村ビルや大阪瓦斯ビルヂングなども手がけた名建築家であり、大阪倶楽部に南欧風のデザインと東洋風の意匠を融合させた独自のスタイルを導入しています。

建築の特徴

南欧風と東洋的意匠の融合

大阪倶楽部の外観は、旧ローマ市街の建築に見られる石造りのアーチを取り入れた南欧スタイルが特徴です。さらに、唐草模様やトーテムポールといった東洋や中近東のモチーフが各所に施され、独特の美しさを醸し出しています。

室内のデザインと設備

内部のデザインは、訪れる人々に上質な時間を提供するため、細部まで丁寧に仕上げられています。各部屋には異なるテーマで装飾が施され、建物全体がひとつの芸術作品のように感じられます。特に、談話室や大ホールなどは、歴史的な雰囲気が漂う空間です。

生きた建築ミュージアム・大阪セレクション

大阪倶楽部は「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」にも選ばれており、建築ファンからも注目を集める施設です。美しい建築とともに、歴史と文化を感じることができる場所として、大阪を代表する建築の一つに位置付けられています。

館内の主な施設

館内の各階には、会員や訪問者が利用できる多彩な施設が整えられており、ビジネスや社交の場として幅広い用途に対応しています。

大阪倶楽部でのイベント

音楽イベント

大阪倶楽部では、音楽イベントも定期的に開催されています。特に、テレマン室内オーケストラによるバロック音楽の月例コンサートや「KCM Concert Series at Osaka Club」が行われ、音楽愛好家にとっても重要な拠点となっています。歴史ある空間で聴くクラシック音楽は、特別なひとときを演出します。

アクセス

交通アクセスも便利で、地下鉄から徒歩圏内に位置しているため、訪問者にとって利用しやすい場所です。

大阪倶楽部は、大正時代から続く大阪の歴史的な社交場であり、その美しい建築と豊かな歴史から、多くの人々に愛されています。音楽イベントや会議などが行われる社交場としての機能を持ちながらも、建築的な価値も高く、歴史的建造物として重要な役割を果たしています。訪れる人々に、歴史と文化を感じさせる魅力的な場所として、今後も多くの人々に利用され続けることでしょう。

Information

名称
大阪倶楽部
(おおさか くらぶ)

心斎橋・難波・天王寺

大阪府