長居植物園の概要
長居植物園は1974年(昭和49年)に開園し、総面積24.2ヘクタール(242,000平方メートル)の広大な園内には約1,200種類、61,000本の植物が植えられています。長居公園は無料で利用できますが、植物園への入園は有料です。
園内にはバラ園、アジサイ園、ボタン園をはじめとする11の専門園や、季節ごとに花が植え替えられる「ライフガーデン」など、多様な植物と触れ合える施設が整っています。
園内の見どころ
大池
植物園の中心に位置する大池は、広さ約47,000平方メートルを誇ります。池の中央には「レインボーブリッジ」とも呼ばれる長さ約50メートルの一文字橋が架かり、園内散策の人気スポットとなっています。
小池
大池のほかに、約1,200平方メートルの小池もあり、小さな自然を楽しめる静かな場所です。
11の専門園
長居植物園には、特定の植物をテーマにした以下の11種類の専門園があります。
- アジサイ園
- ハナショウブ園
- シャクナゲ園
- ボタン園
- マグノリア園
- ヘメロカリス園
- ツバキ園
- ジャーマンアイリス園
- バラ園
- シャクヤク園
- ハーブ園
ボタン園
約2,900平方メートルの広さに約80品種、1,300株のボタンが植栽されているボタン園は、4月中旬が見頃です。中国原産のボタンは奈良時代に薬用植物として日本に伝来し、現在ではその華麗さから観賞用としても人気です。
バラ園
バラ園は約7,000平方メートルの敷地に約240品種、3,500株が植えられ、5月中旬~6月中旬および10月中旬~11月中旬が見頃です。2019年には回廊が新設され、バラとクレマチスが美しい景観を作り出しています。
シャクヤク園
4月下旬が見頃のシャクヤク園では、約1,100平方メートルの敷地に約30品種、1,600株のシャクヤクが植えられています。中国原産のシャクヤクは、15世紀に日本に伝わり、江戸時代には観賞用として品種改良が進みました。
ツバキ園
約13,200平方メートルの敷地に約80品種、1,200本のツバキが植えられ、11月中旬~4月中旬にかけて様々な花を楽しめます。ツバキは万葉時代から日本で親しまれており、近年は海外品種も導入されています。
季節ごとの花畑とライフガーデン
約2,000平方メートルのライフガーデンでは、季節ごとにネモフィラ、ヒマワリ、コスモスなどが植え替えられます。訪れるたびに新しい風景が楽しめる場所です。
歴史の森
大阪の歴史を象徴する樹林を再現したエリアで、古代から現代までの森林が再現されています。
芝生広場とその他の施設
園内には広大な芝生広場があり、ピクニックやレクリエーションにも最適です。また、大阪市立自然史博物館が併設されており、自然や生物について学べる展示も充実しています。
開花情報とイベント
長居植物園では、季節ごとに開花情報が公開されており、訪問前に最新の花の見頃をチェックできます。また、さまざまなイベントが開催され、植物に関するワークショップやガイドツアーが楽しめます。
季節ごとの見どころ
春の花々(3月~6月)
3月末から4月の初めにかけて、ソメイヨシノが満開を迎えます。また、シャクナゲ、ボタン、シャクヤクなども次々に開花し、園内は華やかな雰囲気に包まれます。バラ園では、5月後半から春バラが見ごろを迎え、クレマチスやジャーマンアイリスも同時期に咲きます。
夏の風景(7月~8月)
夏にはライフガーデンでひまわりやコスモスが咲き、季節の花畑が広がります。また、ユーカリの林で心地よい香りに包まれ、癒しのひとときを過ごすことができます。
秋の紅葉と花(9月~11月)
秋になると紅葉が始まり、木々が鮮やかな色に染まります。10月からは秋バラが楽しめるほか、園内の芝生広場も散策に適した季節です。
冬の静けさ(12月~2月)
冬はサザンカやニホンズイセンなどの花が咲きますが、落葉樹の美しい樹形や、ラクウショウのユニークな「気根」など、植物の異なる魅力を発見できる季節でもあります。
歴史の森と大阪市立自然史博物館
園内の北側に位置する「歴史の森」では、生きた化石と呼ばれるメタセコイアの森をはじめ、6,600万年前から現代までの大阪の代表的な樹林が時代別に再現されています。また、隣接する大阪市立自然史博物館では、大阪の自然史を学ぶことができ、ナウマンゾウやヤベオオツノジカの原寸大の模型も展示されています。
ボランティア活動とキッチンガーデン
植物園内では多くのボランティアが活動しており、キッチンガーデンでは珍しい野菜が育てられています。子どもたちだけでなく、大人にも人気のエリアで、普段見かけない野菜を間近で観察することができます。